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2024年3月20日(水)

きょうの潮流

 提唱者は「闇夜に、お手々をつないでいこう」と呼びかけました。みんなで一緒に行動すれば、なにも怖くはないんだと。できるだけ多くの労働者を立ち上がらせるためでした▼ジョイント・スプリング・ストラグル―俳句の季語にまでなった日本独自の春闘は、世界でも類例のない方式として知られています。1955年に8単産の共闘でスタート。賃上げから生活全般にかかわる要求へと発展した「国民春闘」となってから半世紀がたちます▼ボードに赤い文字が次々と書き込まれました。物価高騰のもと賃上げを求める声がわきあがるなか、大手企業の「満額回答」が相次いだ今年の春闘。しかし物価高には追いつかず、生活を支えるまでには及んでいません▼日本企業のほとんどを占め、全従業者の7割が働く中小企業や非正規労働者の賃上げにつなげる闘いもこれからです。大幅な賃上げとともに最低賃金の全国一律1500円の実現や消費税5%への引き下げを訴えるデモも各地で▼実際、首都圏の中小零細企業の約3割が「賃上げの予定なし」とアンケートに。大企業の莫大(ばくだい)な内部留保や下請けいじめも続いています。こうした横暴をただす責任が政府にはあるはずなのに、大企業からの献金によってたつ自民党にはどだい無理か▼すべての労働者に賃上げを。紆余(うよ)曲折はありながら、団結して闘うことを原点としてきた春闘。それは「人たる生活を営む」闘いでもありました。妨害や分断にも負けず、みんなで手を携える共同の力で。


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