2024年3月19日(火)
府立大アリーナ計画断念
京都 住民団体「運動実った」
京都府が府立大学体育館を1万席規模のアリーナに建て替えることを計画し、大学関係者や住民らが見直しを求めていた問題で、西脇隆俊知事は18日までに、大規模「屋内スポーツ施設」は向日(むこう)町競輪場(向日市)に整備すると表明し(14日府議会)、府立大のアリーナ建設を断念しました。
府は2020年末、「北山エリア整備基本計画」を策定し、アリーナ建設と一体に府立大隣接の府立植物園に「にぎわい施設」やステージなどを計画。植物園元園長や住民、学生・教員らが「植物園は公園ではない。にぎわいはいらない」「大学と地域の静かな環境を奪うアリーナは中止を」「学生のための体育館を」と立ち上がり、署名は16万3千人分を突破。府は植物園開発は見直したものの、アリーナは「検討を続ける」としていました。
「北山エリアの将来を考える会」共同代表で府立大の長谷川豊准教授は「無謀な計画はとん挫したが、耐震基準に満たない老朽化した体育館や学舎は早急に整備を。アリーナ計画で建て替えが遅れたことは明らか。府の決断が急がれる」と指摘。「なからぎの森の会」の鰺坂学共同代表は「全国のみなさんの署名、運動の力で府立大と植物園が守られた。丸3年の運動が実り、ほっとしている」と喜びました。
毎議会で論戦してきた共産党府議団は15日、「知事の決断が遅きに失したとはいえ、画期的な成果」とする声明を発表しました。