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2024年3月17日(日)

ロンドンでDV被害者の支援拡大

複合施設を初建設へ

 【ベルリン=吉本博美】英国の首都ロンドンで15日、配偶者や恋人などからの暴力(DV)の被害者を支援する新たな計画が発表されました。支援専門家が常駐する被害者のための住宅と、支援事業のスペースが一体となった複合施設を市として初めて建設します。サディク・カーン市長(労働党)は「命を救い、全ての人が安全でより良い暮らしを送れるよう支援する」と表明しました。

 計画は市長主導の「手ごろな住宅計画」(2021~26年度)から850万ポンド(約16億円)、英政府から110万ポンドの予算を投じて実施します。

 賃貸物件の不足と家賃高騰が深刻なロンドンで、DV被害者の行き場がないと支援団体は行政に対処を求めていました。警察発表によると、ロンドンでは23年3月までの1年間で約9万5千件の被害が報告されています。

 15日のロンドン市の報道発表では、被害者の中でも障害者、黒人など人種的少数派、LGBTQ(性的少数者)への直接支援に力を入れると表明。複合施設への入居費は被害者の経済状況に考慮した手の届きやすい価格にするとしています。今月初旬には支援団体に約1500万ポンドの補助金支給を開始したとも報告しました。

 ロンドンの支援団体「ソラス・ウィメンズ・エイド」のナハール・チョードリー代表は支援計画を評価し「安心して寝泊りできる空間は女性と子どもたちにとっての生命線だ」と強調しました。


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