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2024年3月16日(土)

陸自パワハラ 賠償命令

東京地裁 障害認定後、いやがらせ

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(写真)パワハラの詳細を語る原告の渡辺貴伺さん(左)=15日、東京都千代田区

 陸上自衛隊で上司と同僚からのパワハラやいじめを受けたとして、元自衛官の渡辺貴伺さん(56)が、国に2500万円の損害賠償を求めた裁判の判決が東京地裁であり、池田知子裁判長は国に150万円の支払いを命じました。15日、原告らが都内で記者会見し明らかにしました。

 判決は14日付。これによると渡辺さんは、1986年に自衛隊に入隊し、富士教導団(静岡県)に所属。2008年10月に悪性骨腫がんの手術を受け歩行困難になり、身体障害3級に認定されました。09年6月に復職した後、渡辺さんは中隊長から自宅マンションの居住許可を取り消され、エレベーターのない隊舎の5階に住まわされるなどしました。事故を起こしたことを理由に自動車の保有も禁じられました。また、体重増加の罰として1万字のペナルティー文を書かせるなどパワハラを受けたといいます。

 渡辺さんは20年5月に自衛隊を退職し、同年10月に提訴しました。

 判決は、渡辺さんを隊舎5階に居住させ続けたことや、私有車の保有を禁じたことなどについて「障害を抱えていながら長期間日常的に5階までの階段昇降を余儀なくされ、心身の健康を損ないかねない負担を強いられた」として安全配慮義務違反が認められるとしました。

 ペナルティー文については「必要かつ相当な域を超えた服務指導」であり違法性が認められると指摘。計150万円の慰謝料が妥当としました。

 会見で渡辺さんは「自分の気持ちに整理をつけたくて裁判を起こした。気持ちの面で満足だ」と語りました。


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