しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年3月13日(水)

ILO条約年次報告書 性奴隷・強制労働

戦時被害救済へ努力を

市民団体会見

 国際労働機関(ILO)の条約勧告適用専門家委員会は2024年年次報告書を公表し、日本の「技能実習生問題」および「戦時性奴隷・戦時強制労働」について意見を出しています。「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」のメンバーが12日、記者会見を開き、報告書の日本語訳をし、それをもとに声明を発表しました。

 ILOは1995年以来、第2次世界大戦中の性奴隷制(慰安婦制度)と産業界における強制労働の問題を調査してきました。

 弁護士の殷勇基(いん・ゆうき)さんは、ILO専門委員会は、今年2月9日に公表した専門家委員会報告について、日本政府が具体的な解決にむけた措置をまったくとっていないことに懸念を表明し、生存被害者の救済のためにあらゆる努力を尽くすよう求めていると説明。これらの問題は「植民地主義のもと行われてきたこととしてとらえることが大事。ここ15年から20年は現代奴隷制の観点から注目されている」と強調しました。

 元『世界』編集長の岡本厚(あつし)さんは韓国政府との関係が改善されていることでこの問題をなおざりにしていいわけではない、と指摘。高校の無償化における朝鮮人学校の除外や群馬県での朝鮮人追悼碑の撤去などは「同じ流れでおこっている」として、「人権問題として取り組むべき課題である」と訴えました。

 強制動員問題解決と過去清算のための共同行動の矢野秀喜さんは「日本政府の解決済みだという主張にたいして、ILOは日本による強制労働条約違反が存在していると結論を出している」と強調しました。あわせて現代の技能実習生の問題について「戦時につながる植民地主義の問題」だとしてILOに10年以上前から報告していると説明。今回の報告書にも、長時間労働や賃金未払いなどの問題が指摘されていると話しました。


pageup