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2024年3月8日(金)

次期戦闘機輸出“歯止め”演出で

公明党 推進へ傾斜

 日本・英国・イタリアが共同開発する次期戦闘機の第三国への輸出に“慎重”姿勢だった公明党が推進へ大きく傾きました。自民・公明両党は8日に政調会長協議を行い、「歯止め」について議論します。憲法の平和原則を踏みにじる重大な転換を、国会にも諮らず密室協議で推進する両党への厳しい批判は避けられません。

 政府は昨年末、武器輸出のルールである「防衛装備移転三原則」と同原則の運用指針を改定し、他国から技術を得て開発する「ライセンス品」のうち、銃器や弾薬といった「殺傷兵器」の輸出を容認。ただ、公明党は次期戦闘機の輸出については慎重姿勢を示してきました。

 岸田文雄首相は5日の参院予算委員会で、公明党の西田実仁議員の質問に、(1)日本の安全保障環境にふさわしい戦闘機を実現するため、輸出により価格を低減する必要がある(2)第三国輸出の枠組みを持たなければ、国際共同開発のパートナー国にふさわしいと評価されず、わが国の防衛に支障をきたす―などと答弁。次期戦闘機の第三国輸出は「国益」だと強調しました。

 公明党の高木陽介政調会長は6日の記者会見で、首相の答弁を「丁寧に説明していた」と「評価」。今後、「歯止め」について議論すると説明しました。

 同党は「平和の党」を標ぼうするため、第2次安倍政権が推進してきた集団的自衛権の行使容認、岸田政権の安保3文書のいずれも、当初は慎重姿勢を示しながら、最後は憲法の平和原則と矛盾しない“歯止め”を設けたなどとして容認。「戦争国家」づくりに加担してきました。今回も同じ手順です。

 次期戦闘機の輸出で利益を得るのは、三菱重工やIHI、三菱電機といった開発に参加する軍需企業です。三菱重工は、次期戦闘機開発などで、軍事部門の2024~26年度の売り上げが現状から倍増するとの見通しを示しています。その原資は国民の税金です。

 次期戦闘機 航空自衛隊のF2戦闘機、欧州各国で運用するユーロファイターの後継機で、2035年までの開発完了が目標。人権団体は、サウジアラビアがイエメン空爆でユーロファイターを使用し、民間人を大量殺傷したと主張しています。


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