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2024年3月7日(木)

2024国際女性デー

環境配慮 生理用品無償提供

スペイン カタルーニャ州 世界初

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 スペイン北東部カタルーニャ州で4日、使い捨てでなく繰り返し使用できる生理用品を無償提供する世界初の取り組みが始まりました。「生理の貧困」をなくし、環境にも配慮する狙い。州の平等・フェミニズム省が主導し、初年度は850万ユーロ(約14億円)の予算を投入します。約250万人が恩恵を受ける見通しです。

 希望者は月経カップ、布ナプキン、吸水ショーツのなかから好きな製品を選べます。携帯アプリ「私の健康」をダウンロードし、表示されたQRコードを薬局で提示すれば受け取りが可能。ノンバイナリー(性別の枠組みに自分を当てはめない人)や、出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーで月経がある人も対象です。

 州内3200超の薬局に「適切な訓練」を受けたスタッフが常駐。訪れた人やその家族のアプリ登録を手伝うほか、製品の使い方の説明や生理に関するアドバイスも行います。

 同州のベルジェ平等・フェミニズム相は「私たちは生理の貧困と闘っているが、それはジェンダーに基づく正義にも関わる問題だ」と表明しました。

 生涯を通して使い捨てタンポンを使い続けた場合、2500ユーロ(約40万円)もの負担になるとの推計があります。また、州当局によると、使い捨て生理用品の使用は州内だけで年9000トンもの廃棄物を生みます。

 州政府は「月経の誤った考え、タブー、知識不足に終止符を打つ」と宣言。昨年、州内の中学校で生理用品キットの無償配布を実施し、約8万5000人が受け取りました。(桑野白馬)


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