2024年3月6日(水)
2024国際女性デー
仏憲法に「中絶の自由」
世界初 「歴史的な日」歓迎の声
【ベルリン=吉本博美】フランスの上下両院の合同会議(925議員)で4日、妊娠の人工中絶の自由を憲法に明記する改正案が賛成多数で可決されました。憲法に中絶の自由を保障する文言が入るのは世界初。「自分の体について自分で決める女性の権利にとっての歴史的な日」と歓迎の声が各地であがりました。
妊娠の人工中絶は「保障された自由」として公民権などを記した憲法34条に追記されます。改正は、8日の国際女性デーにマクロン大統領が出席して開かれる式典で正式に発効します。
両院合同会議の採決では、賛成780、反対72となり、憲法改正に必要な5分の3を上回りました。国民議会(下院)のブロンピベ議長は「フランスで二度と中絶の自由が覆ることはない。私たちは世界の女性たちを支援する」と強調しました。
フランスでは1975年に人工妊娠中絶を合法化。米国の連邦最高裁が2022年に人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下したことを受け、フランスでは「恒久的に中絶の権利を保障すべき」として憲法への明記を求める運動が広がっていました。
仏紙ルモンドによると、議会ではマクロン大統領の与党「再生」と左派政党「服従しないフランス」が共同で改正案を推進。下院で1月末、上院では2月28日にいずれも賛成多数で可決されました。
中絶の権利の保護を訴えてきた市民団体「ファミリー・プランニング・ムーブメント」のサラ・ドゥーシェ代表は「フェミニストの勝利だ」と評価。4日夜の首都パリではエッフェル塔に「#私の体は私の選択」と映されるなど歓迎ムードに包まれました。








