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2024年2月26日(月)

主張

欠陥機オスプレイ

飛行再開許さず撤去こそ必要

 米軍の垂直離着陸機オスプレイに、墜落につながる機器の不具合などが次々と露呈しています。米海兵隊のMV22オスプレイが配備されている沖縄では、地元紙が社説で「もはや飛行はあり得ぬ」(沖縄タイムス22日付)、「飛行停止の無期限継続を」(琉球新報21日付)と声を上げています。昨年11月に鹿児島県・屋久島沖で起きた米空軍のCV22オスプレイの墜落事故を受け、米軍と自衛隊は全てのオスプレイの運用を停止しています。飛行再開を許さず、国内の配備機全てを撤去すべきです。

「運用に適さず」と勧告

 本紙18日付は、米国防総省の運用試験・評価局が今年1月の年次報告書で、米海軍のCMV22オスプレイについて防氷装置など多数の不具合によって「運用に適していない」と異例の勧告をしていたことを報じました。

 同評価局は2022年6月の報告書で、CMV22について▽任務失敗の44%を防氷装置の不具合が占める▽整備に時間がかかり基準を満たさない―などのため「運用に適していない」と指摘していました。しかし、その後も改善が見られず改めて勧告していました。

 防氷装置は上空を高く飛行する際、氷が付着するのを防止するためのものです。もし機能しなければ、最悪、墜落の危険があるとされます。

 CMV22は空母艦載機として運用され、岩国基地(山口県)への配備が計画されています。また、これまで沖縄県内への飛来がたびたび確認され、オスプレイの運用停止措置を受け、現在も嘉手納基地に複数機がとどまっていると報じられています。

 しかも、運用試験・評価局の16年の年次報告書は、米空軍のCV22も試験で防氷装置に問題が繰り返し見られたとし、同じ装置を持つ米海兵隊のMV22にも似たことが起こり得るとしています。実際、22年3月には、普天間基地(沖縄県)に所属するMV22が防氷装置の不具合で新石垣空港(同)に緊急着陸しています。

 昨年11月に横田基地(東京都)に所属するCV22が屋久島沖に墜落した事故の原因については、米大手テレビ局のNBCが、エンジンを収容する円筒状の「ナセル」内部にあるギアボックスの不具合の可能性が検討されていると報じました(20日)。ギアボックスの中から金属片が見つかるケースが22年7月から少なくとも7件あるとし、昨年6月には米ハワイ州でMV22が緊急着陸しています。

 オスプレイは陸上自衛隊も運用しており、構造もほぼ同じです。陸自のV22オスプレイも昨年8月にギアボックス内に金属片が発生し、航空自衛隊静浜基地(静岡県)に緊急着陸しています。

「数週間内に再開も」

 22年6月に米カリフォルニア州で起きたMV22の墜落事故では、エンジンとプロペラをつなぐクラッチが一時的に外れ、再び接続した際に衝撃が発生する「ハード・クラッチ・エンゲージメント」が原因でした。部品の交換によって問題は解決されるとしていますが、このクラッチもギアボックス内にあるといいます。

 オスプレイの構造的な欠陥は明らかです。昨年11月の事故の調査結果が出れば数週間以内にも飛行再開の可能性があるとも報じられていますが、言語道断です。


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