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2024年2月24日(土)

イスラエル 病院次々破壊

「人間性への攻撃」と非難

ガザで活動の国境なき医師団

安保理

 【ワシントン=島田峰隆】国際NGO「国境なき医師団(MSF)」のクリストファー・ロックイヤー事務局長は22日、「パレスチナのガザにはもはや医療システムがない。イスラエル軍は病院を次々と破壊した」と批判し、即時停戦を求めました。同日開かれたガザ情勢に関する国連安全保障理事会の公開会合で報告しました。


 ロックイヤー氏によると、2日前にはMSFの職員とその家族が身を寄せていたガザ南部ハンユニスの民家がイスラエル軍による砲撃を受けました。砲弾は壁を突き抜けて爆発し、家は燃え上がり、2人が死亡、6人が負傷しました。負傷者6人中5人は女性と子どもでした。

 攻撃された民家の場所は事前にイスラエル側に通知し、MSFの旗を立てていました。ロックイヤー氏はこうした攻撃は日常茶飯事であり、「意図的なものかあるいは向こう見ずな無能さの兆候だ」と非難しました。

 イスラエル軍の攻撃でMSFの職員が医療施設から避難を余儀なくされています。病院自体も破壊されてベッドや医薬品が不足しています。止血用ガーゼが不足し、医師は使用済みのものを洗浄、消毒し、次の患者に使っています。ロックイヤー氏は「医療への攻撃は人間性への攻撃だ」として、国際人道法の順守を求めました。

 また「ガザ住民は“実行可能な”時ではなく、いま停戦を必要としている」と強調。米政府が「即時の人道的停戦」を求める安保理決議案に拒否権を行使したことについて「愕然(がくぜん)とした」と批判しました。

 同じく安保理に報告したウェネスランド国連特使(中東和平担当)は、イスラエルが表明したガザ南部ラファへの軍事作戦に「強い懸念」を示しました。「すべての人質の即時かつ無条件解放と人道的停戦を改めて求める」と述べました。


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