2024年2月23日(金)

国の代執行取り消せ

周辺住民、那覇地裁に提訴

（写真）訴状を提出するため裁判所に向かう原告団と弁護団＝２２日、那覇地裁前

　沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、国が軟弱地盤改良のため玉城デニー知事の権限を奪う「代執行」で設計変更を承認したのは違法だとして、辺野古・大浦湾周辺などの住民３０人が２２日、国と県を相手に承認の取り消しを求めて那覇地裁に提訴しました。

　住民側代理人の中村昌樹弁護士は、国側が今回の訴訟において「被告とすべきは県である」と主張してくることも予想されると指摘。新基地建設阻止を貫き、不承認の立場を堅持するデニー県政に対し、「裁判で相手にはしたくなかったが、万が一に備えて県もやむなく被告にした」と説明しました。

　訴状で住民側は、防衛省沖縄防衛局が実施した地盤調査は不適切と主張。設計変更申請は公有水面埋立法（公水法）の要件を満たさず、埋め立ての必要性も失われているなどとして、代執行による承認は違法だと訴えています。

　２０１９年に辺野古埋め立ての是非を問う県民投票が実施され、投票した７割以上の県民が反対の意思を示してから５年となる節目でした。

　東恩納（ひがしおんな）琢磨原告団長は、これまでの設計変更を巡る訴訟などで、裁判所がいずれも公水法の要件を満たしているかどうか実質審理を行わないまま、県の訴えを退けてきたと批判。「中身の審理に入らず、埋め立てが進められている状況をこの裁判で変えていこう」と呼びかけました。