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2024年2月21日(水)

きょうの潮流

 批判の矛先は絶対的な権力者に向けられていました。公開の場で初めてやじが飛び、率いる政党が人気ロックグループの公演を支援していたことがわかるとブーイングが起きました▼2011年末のロシア下院選挙。プーチン政権与党の「統一ロシア」は大幅に議席を減らし、かろうじて過半数を得ました。しかし選挙に不正があったとして抗議集会やデモがわき起こります。そのとき街に出て不満を表明しようと呼びかけたのがナワリヌイ氏でした▼「プーチンが権力を握って以来、初めてその怒りを政権への不服従につなげられる指導者が生まれた」。元BBC特派員の伝記作家が8年がかりで取材した『プーチン』に両者の関係が描かれています▼自身を脅かす政敵への反発。プーチン氏は相手の名前を口にしようともせず「あいつ」などと呼んでいたと。彼の後ろに見えていたのは、声を上げて迫る大勢の国民の姿だったのではないか▼ナワリヌイ氏は何度も投獄され、それに伴い国民への締めつけも強まっていきました。20年には毒物を盛られてドイツへ。翌年、帰国したところを拘束されますが、このときも首都モスクワの4万人をはじめ各地で解放を求める集会が開かれました▼そして、1カ月後に大統領選を控えるなかで起きた獄中死。弾圧のなかでも絶えない市民の追悼や献花の列は、プーチン政権への抵抗の証しです。反体制活動の象徴とされた47歳の死は呼びかけます。巨大な力を持っているのは、私たちだ。あきらめないで。


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