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2024年2月17日(土)

海自幹部ら165人 違憲の靖国参拝

昨年5月 制服姿 毎年実施か

事務次官通達に抵触

 海上自衛隊の幹部ら165人が制服姿で靖国神社(東京都千代田区)を集団参拝していたことが16日、本紙の調べで分かりました。靖国神社を巡っては、陸上自衛隊の小林弘樹陸上幕僚副長ら幹部が公用車で集団参拝したことを本紙が特報(1月10日付)。小林氏らは防衛省から訓戒処分を受けています。憲法の政教分離の原則に違反する集団参拝が、陸自にとどまらず自衛隊内で横行している疑いが浮上しました。(取材班)

 靖国神社の社報「靖国」の昨年7月号によると、同年5月17日に、練習艦隊司令官・今野泰樹海将補はじめ、一般幹部候補生課程を修了した初級幹部ら165人が「航海に先立ち正式参拝した」としています。

 社報に掲載された写真によると、幹部らが制服姿で昇殿参拝しており、公的な集団参拝だった疑いがあります。憲法20条は「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と政教分離の原則を定めています。防衛省も事務次官通達(1974年)で「宗教上の礼拝所に対して部隊参拝すること及び隊員に参加を強制することは厳に慎む」としています。

 また社報には、この遠洋練習航海が「昭和32年以降実施され、今回で67回目となる。出発前には当神社へ正式参拝に訪れている」としており、集団参拝が恒例化していることをうかがわせる記述があります。

 靖国神社は戦前戦中に、軍国主義の精神的支柱として旧日本軍の侵略戦争を推し進めてきました。戦争責任を問われたA級戦犯14人や、戦没者を「英霊」としてまつっています。今も境内の至るところで侵略戦争を美化する展示が行われています。自衛隊による靖国神社の集団参拝は、旧日本軍への回帰を懸念させます。

 陸自幹部の参拝を処分した際、防衛省は「全国的な実態調査は行わない」としました。しかし海自幹部らによる集団参拝の発覚により、全国的な実態調査の必要性が強く示されました。

 防衛省は本紙の質問に、16日夕方までに回答をしませんでした。


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