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2024年2月14日(水)

ガザ停戦求めシンポ

中東研究者が報告

 ガザ地区の即時停戦を求め、「安全保障関連法に反対する学者の会」は12日、オンラインシンポジウムを開き、中東研究者が報告しました。

 酒井啓子千葉大学教授は、ハマスの背後にイランや「親イラン」勢力がいるとの論調に対し、イラン側にはハマスと異なる固有の利害があり、「ガザ紛争に巻き込まれたくない」という明確な意図があると反論。「イラン悪者」論は、紛争の本質を見誤らせると懸念しました。

 臼杵陽(うすき・あきら)日本女子大学教授はハマスの歴史を解説。イスラエルの経済封鎖によって失業と貧困が深刻なパレスチナで、食料や医療支援などを行い、若者を中心に支持を集めてきた点も含め、歴史的考察が必要だと主張しました。

 鵜飼哲(うかい・さとし)一橋大学名誉教授は、フランスでパレスチナへの連帯デモや講演会が「反ユダヤ主義」として禁止されている一方、世界各国のユダヤ人が即時停戦を訴えていると報告。植民地主義への反対運動と、反ユダヤ主義への反対運動を結合させる重要性を指摘しました。

 栗田禎子(よしこ)千葉大学教授は、旧植民地のアジア・アフリカ・ラテンアメリカのみならず、欧米や日本の市民から即時停戦の声があがり、イスラエルを擁護する欧米先進諸国は追い詰められていると指摘。鍵を握っているのは市民の動きだと強調しました。

 石田英敬(ひでたか)東京大学名誉教授は、ヨーロッパで排外的な極右勢力が台頭していると危惧し、社会の基本的価値を日本でどう守っていくか、よく考えなければならないと呼びかけました。

 司会は鵜飼氏とエッセイストの是恒香琳(これつね・かりん)氏が務めました。シンポには約550人が参加。ユーチューブで録画視聴もできます。


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