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2024年2月12日(月)

芸術分野の性暴力と闘う

スペイン文化省 相談窓口設置

運動広がり、変化

 【クラクフ(ポーランド南部)=桑野白馬】スペイン文化省は9日、女性が安心して文化芸術関係の仕事に取り組めるよう、男性からの暴力やハラスメントに対処するための相談窓口を設置すると表明しました。ジェンダー平等の実現を目指す団体や性暴力防止に向け活動する専門家らが協力する見通し。将来的に性暴力撤廃のための規定や勧告を文化芸術の分野別に策定する狙いです。

 文化省は「男性の暴力は文化芸術部門で特有の広がりを見せており、これと闘う必要がある」と言明します。映画や舞台監督、芸術団体の代表者をほとんど男性が占めており“強い立場”を利用し俳優やスタッフへ性暴力をはたらく試みが相次いでいることを念頭に置いています。

 同省は「性暴力の被害者に寄り添う」とも強調。被害者が警察や司法に訴えていない段階でも相談できるよう、体制を整えます。具体的な組織構成や予算措置は決まっていないものの、複数のメディアが一斉に報じ、注目を集めています。

 文化芸術分野での性暴力撤廃の取り組みは遅れています。女性映画製作者協会のアンドレウ代表は「恐怖が支配する小さな業界」と形容しています。ただ、近年は国内で女性への性暴力に反対する運動が広がり、変化の兆しも見られます。

 今年1月、著名な映画監督カルロス・ベルムト氏から性暴力を受けたと3人の女性が告発したことが明らかになると、対策を求める声が噴出しました。文化省は「文化がすべての女性にとって安全な空間」となるよう行動すると約束しており、今回の措置はその一環です。


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