しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年2月9日(金)

きょうの潮流

 ある男性に「きみの小さい手じゃ弾けないよ」っていわれたから、見返すためにギターの演奏を習得した―。米国の田舎町でカントリー音楽にめざめた少女は、やがて人びとの光に▼世界的な人気歌手、テイラー・スウィフトさんの日本公演が始まっています。昨年からの世界ツアーの一環で、あすまでの4公演はすべて完売。集大成というツアーは観客動員の世界新記録とともに、音楽業界初のチケット売り上げ10億ドル超えを達成しました▼切ない恋心や自分に正直な気持ちを繊細に歌い上げる曲は国境をこえて多くの若者たちに支持されています。求められる「良い女の子」ではなく、性差別や政治に対しても恐れず声をあげてきた姿はロールモデルにも▼「わたしにとって歌は、ボトルに詰めた手紙みたいなもの。それを世界中に流したら同じように感じている人が、いつか聴いてくれるかもしれない」(『テイラー・スウィフトの生声』)。感情をありのままにさらけだすとき、そこには強さが宿ると▼その影響力の大きさは米大統領選をも左右するといわれ、トランプ信奉者からは陰謀論まで拡散されています。最近ではネット上で偽の性的な画像が流されました▼傷つきたくないからと、まわりに壁をつくるわけにはいかないというスウィフトさん。昨年、米タイム誌の「今年の人」に選ばれ、分断された世界で人びとに希望の光をもたらしていると評されました。きょうも彼女は歌います。生きづらい世の中を変えられるのは、あなただけ。


pageup