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2024年2月3日(土)

きょうの潮流

 1日の衆院本会議。能登半島地震・裏金・暮らし・外交―。国政の根幹をただした日本共産党の志位和夫議長の代表質問に対し、人ごとのような答弁を繰り返した岸田文雄首相でしたが、まともな答弁が一つだけありました▼東南アジア諸国連合(ASEAN)の中心性とASEANインド太平洋構想(AOIP)を「支持する」というものです▼大国の侵略・干渉により、長い戦禍に苦しんだ東南アジア諸国は、徹底した対話の積み重ねで地域を平和の共同体に変えてきました。地域のみならず、「東アジアサミット」など、米国や中国、日本なども含めた重層的な平和の共同体を推進する。それがASEANの中心性です▼AOIPは、こうした重層的な枠組みを活用し、特定の国を排除するのではなく、すべての国を包摂し、武力による威嚇や武力行使を禁じたインド太平洋規模の平和条約を結ぼうという壮大な構想です▼このような構想に真っ向から反するのが米中の覇権争いです。中国は沿岸地域で強圧的な姿勢を強め、米国は地域の覇権を維持するため、同盟国を大動員する―。その先兵となり、軍事同盟強化・大軍拡を進めているのが岸田政権です。とりわけ、排除の論理を基調とする軍事ブロックの強化は、「包摂性」というASEANの理念と根本的に矛盾します。首相は、果たしてその点を自覚しているのか▼ASEANの取り組みは、本来なら憲法9条を持つ日本が率先して行うべきものです。「平和国家・日本」の名を汚さぬように。


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