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2024年2月2日(金)

能登半島1.1地震

もう話できない

自宅倒れ車中泊「腰痛い」 亡くした人を思う

 能登半島地震の発生から1日で1カ月。石川県の死者は前日から2人増えて240人になりました。安否不明者は4人減り15人に。同県珠洲市では1日、雪が舞う中で自宅や店舗の片付けをする被災者の姿がありました。

 同市蛸島(たこじま)町で建具業を営むAさん(78)、Bさん(76)夫妻は自宅が住めない状態のため、倉庫で暖を取っていました。「あそこで2人が亡くなった。ここでも1人…」。Bさんは近所を指差しながらつぶやきます。

 Bさんは1月末まで小学校に避難していましたが、1月31日から建具の作業場奥にある部屋で寝起きしています。Aさんは被災直後だけ避難所にいましたが、その後は車中泊を続けています。

 「腰が常に痛い。少し頑張りすぎた」と顔をしかめるAさん。損壊した倉庫を修理してまきストーブや調理器具などを運び、生活ができるようにしました。生活用水は、雨どいから流れる水を煮沸して使っています。

 同市上戸町で干物を主に扱う鮮魚店のCさん(74)は、珠洲市内の姪(めい)夫妻を亡くしました。頻繁にCさんに会いに来て、旅行のみやげもくれたといいます。「もう話ができないと思うとショックだ…」と声を落とします。

 Cさんにとって「生きがい」の鮮魚店も地震で少し傾き、入り口のガラス戸が道路側に倒れて割れるなど大きな被害を受けました。

 仕入れ先の宇出津(うしつ)漁港(同県能登町)も甚大な被害を受けました。「命があっただけ良かったと思う。仕入れ先が再開したら夏ごろには店を再建したい」

 (丹田智之、津久井佑希)


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