2024年1月30日(火)
能登半島1.1地震
切実な声 町に届ける
石川・志賀町 中谷町議と党支部
人手ない 入浴送迎バスを 原発不安
能登半島地震で最大震度7を記録した志賀町。日本共産党の中谷松助町議が中心となり、党支部として被災した町民の声を集め、町へ要望を提出しています。高齢者の多い地域で避難生活が続くもと、バランスの取れた温かい食事の提供や、車を運転できない高齢者に向けた支援などの必要性が見えてきました。(鈴木平人)
![]() (写真)避難所で聞き取りを行う中谷志賀町議(右手前)ら=28日、石川県志賀町 |
同支部では、自分たちの体験や聞き取りを元にした8項目にわたる要望書を、22日に第1次分として町長に手渡し懇談しました。要望書は発災直後から議論をはじめ、3週間かけてまとめました。▽上下水道の復旧▽避難所の改善▽独居の高齢者、要介護者への対応▽北陸電力志賀原発の廃炉―など、町民の切実な要望を端的に示しています。
懇談には稲岡健太郎町長のほか、副町長、総務課長が対応。「簡易トイレは和式から洋式への変更も行っている」「温水シャワーを各避難所にひろめている」など、避難生活への対応と町の復旧を急ピッチで進めているとの説明がありました。
食事の栄養偏る
28日には、第2次要請に向けた聞き取り調査をし、いくつかの避難所を訪問しました。原発事故時の指定避難所にもなっている旧西浦小学校では、食事の提供に苦労しています。コンビニおにぎりやカップ麺、パンなどを中心に量は十分にありますが、毎日同じメニューで、栄養も偏っています。同避難所がある鹿頭(ししず)区の区長として1日から避難所に詰めている小橋敦郎さんは「炊き出しをしたいが人手がない」とこぼします。
入浴するのも大変です。町では町内3カ所の入浴施設を無料開放しているほか、自衛隊の入浴設備も整備されています。いずれも同避難所からは距離があり、車を運転できない高齢者には行きにくくなっています。「せめて送迎バスを出してほしい」との声があがります。
避難者で食材を持ち寄って毎日3食の炊き出しを行っている前浜集会所でも、入浴についての要望が出されました。町が無料開放している浴場は前日に整理券を配ります。1人1枚ずつしか配布しないため、わざわざ車で乗り合わせて前日に取りにいっています。そのため、入浴は週に1回です。
避難経路の問題
![]() (写真)中谷松助町議 |
志賀原発の事故を心配する声もあります。「今回のように国道が通行止めになったら、集落を通る細い道路が避難経路になる。緊急車両も通ることになるので、避難がスムーズに進むとは思えない」と沿道に住む男性は話します。
中谷町議によると、夜中に揺れても逃げられるように靴下とコートを身に着けて寝ている人もいるといいます。「避難所生活にも疲れが出ており、気兼ねなく休める場所が待たれています。原発から10キロほどの地区でも多数の建物が倒壊し、事故時に屋内待機などできる状況にありません。原発はダメだとはっきりしました。ますます私たち日本共産党の出番だと思っています」










