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2024年1月28日(日)

陸自幹部の靖国集団参拝

禁止通達への違反問わず

防衛省 公用車使用で「訓戒」

 陸上自衛隊の小林弘樹陸上幕僚副長ら幹部が靖国神社(東京都千代田区)に公用車で集団参拝した問題(本紙10日付)で防衛省は26日、公用車の使用は不適切として、乗車した陸幕副長ら3人を訓戒、監督責任を問い森下泰臣陸上幕僚長らを注意処分としました。

 訓戒は、減給や停職などの懲戒処分を行うまでに至らない軽微な規律違反に適用されるもの。極めて軽微な規律違反に適用する「注意」が最も軽く、「訓戒」はそれに次ぐ軽い処分です。

 また防衛省は、小林副長らの集団参拝が部隊などでの組織的な参拝を禁じた事務次官通達違反ではなかったとする調査結果を公表しました。

 同省によると、陸幕副長ら陸自航空事故調査委員会の関係者が9日午後に時間休を取り、安全祈願のため靖国神社に参拝。昨年11月下旬に実施計画が立てられ、案内を受けた幹部自衛官ら4人のうち2人が参加し、13人は玉串料を私費で支出しました。毎年の恒例行事とみられます。

 通達違反はなかったとする理由について同省は、案内にも私的参拝と明記され、不参加者もいたことなどから、通達で禁じる部隊参拝や参拝の強制には当たらないと判断。その上で能登半島地震対応を考慮し、移動をタクシーから公用車に変えたことは、必要性が低く不適切としました。同省は「全国的な実態調査は行わないが、今後通達の見直しや禁止事項の明示化についても検討したい」としています。

 本紙の取材に、小林副長は「毎年の恒例なので」と語っていました。調査委員会内で案内が配られるなど、組織的な参拝であることは明らかです。また、宮古島でも陸自隊員らがマイクロバスで神社に参拝したことが報じられています。次々に明らかになる「通達違反」の疑いを無視して、全国調査をしないままでいいのか、問われます。(取材班)


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