2024年1月28日(日)
きょうの潮流
どんな問題でも当事者の話を聞くことが大切です。不登校の子どもを支える活動をしているNPO法人が、不登校当事者とその保護者に対するアンケート結果を公表しました。「学校に行きづらくなったきっかけは?」の問いに子どもたちはこう答えています▼「全部先生が決めて、自分では選べないのがいや。席も自分で選べないので、苦手な人ばかりの席になってこわかった」(10歳)、「つまんないし、ずっといすに座っているのがいやだった。怒ってる先生を見て、怒られないように気をつけるのがいやだった」(8歳)▼保護者からはこんな声も。「学校が忙しすぎる。分刻みのスケジュールで休み時間も着替えや移動に追われ、トイレに行くのがやっと。とにかく急がされるので子どもが疲弊している。先生が忙し過ぎてその大変さが子どもに伝わる」(小4から不登校の子の母)▼不登校の小中学生は30万人近く。「さぼっている」「親がきちんとしつけないから」といった偏見もいまだにあります。アンケートで不登校の子どもが求めることの第1位は「不登校への偏見をなくしてほしい」でした▼不登校の直接の要因はさまざま。子どもに丁寧に寄り添って考えることが重要です。同時に、当事者の声からは問題の背景にある競争の激しい社会や教育、子どもの人権が守られていない現実が見えてきます▼アンケートには「学校が変わってほしい」という声も多く寄せられました。教育政策を変えることも含め幅広い議論が必要です。








