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2024年1月28日(日)

集団殺害防止 イスラエルに命令

国際司法裁 南ア「実行に停戦必要」

 国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は26日、パレスチナのガザ地区でイスラエルが国際条約違反のジェノサイド(集団殺害)を行っているとして南アフリカが起こした訴訟で、イスラエルにジェノサイド防止のためのあらゆる措置を取ることを命じました。

 昨年12月に提訴した南アは、イスラエルのガザでのパレスチナ人に対する攻撃は、特定の人種・民族などの構成員を殺害したり、危害を加えたりすることを禁じたジェノサイド条約に違反すると主張。南アは緊急措置としてイスラエルの軍事作戦の即時停止を命じるよう求めていましたが、ICJは軍事作戦の即時停止までは明言しませんでした。

 一方、今回の問題についてICJに管轄権があると判断。南アの訴えを認め、ガザ地区のパレスチナ人が回復不能な損害を被る「現実的なリスクがある」とし、イスラエルに対し▽ジェノサイドを扇動することの防止と扇動の処罰▽必要な人道支援等の実施▽ジェノサイドの証拠の破壊防止と保全―などを命じました。

 南アのパンドール外相はハーグで報道陣に対し、ICJの命令に「完全に同意する」と表明。その上で、命令を実行させるには「停戦が必要だ」と強調しました。

 イスラエルのネタニヤフ首相は同日、ICJの命令について「イスラエルが浴びせられた集団殺害という非難は虚偽であるだけでなく、言語道断だ」と拒否する姿勢を示しました。今回の判断は、数年を要するとみられる判決を出すまでの暫定措置。

 国際司法裁判所(ICJ) 国家間の紛争を扱う裁判所。1945年、国連の主要な司法機関として設置。本部はオランダ・ハーグ。裁判官は安全保障理事国の地理的配分(西欧5人、アフリカ3人、アジア3人、東欧2人、中南米・カリブ海2人)に対応した15人。特定の事件では「アドホック裁判官」と呼ばれる裁判官を任命することができます。


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