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2024年1月28日(日)

馬毛島基地 8827億円

建設費 さらに膨張も

米国圧力受け恒常的訓練

 馬毛島(鹿児島県西之表市)での自衛隊基地建設費が、2012年度以降で8827億円(契約ベース)に上ることが分かりました。防衛省は最終的な総経費について「着工から1年しか経過しておらず、現時点で答えられない」と本紙の取材に回答。工期は3年程度残っており、さらに青天井に膨らむ恐れがあります。


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(写真)西之表港に置かれた基地建設用のクレーン船や建設資材。右奥に見えるのは馬毛島=2023年12月26日、鹿児島県西之表市

 馬毛島基地建設の経費のなかには、予算に計上されず、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設予算から流用されたものもあります。たとえば、同島の土地買収費用約160億円(19年度)や馬毛島に関する設計・調査費約34億6700万円(18年度)などに流用。それらを加えると総経費は9000億円を超えるとみられ、政府が想定する辺野古新基地建設の総工費「約9300億円」に迫ります。

 項目別では、滑走路や駐機場、燃料施設などの整備費が2779億円で最多。係留施設や仮設桟橋などの港湾関係(2572億円)、管制塔や通信施設(1715億円)が続きます。

 環境影響評価書によると、工事2年目(24年)からF35Bステルス戦闘機の離着陸訓練などを行う訓練施設や、揚陸施設の建設に着手。陸海空自衛隊が訓練できるように、滑走路や港湾、格納庫、弾薬庫、隊舎などさまざまな施設を建設します。

 馬毛島基地建設計画は、米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転を求める米国政府の圧力を受けて、日米両政府が合意。米軍がFCLPを恒常的に行うほか、自衛隊による戦闘機の離着陸訓練や着水訓練、パラシュート降下訓練などを年間を通じて実施します。

馬毛島に関する予算の内訳
単位:億円(金額は契約ベース)
金額
環境調査、詳細検討、施設の設計 179
仮設プレハブ、工事用仮設電源、仮設プラント 1038
滑走路、駐機場、燃料施設など 2779
管制塔、通信局舎、飛行管理棟など 1715
係留施設、仮設桟橋など 2572
格納庫、倉庫など 287
ユーティリティー、維持管理工事 68
種子島における施設の設計、整備 173.3
航空自衛隊の訓練施設 5.3
事務費 11
計 8827.6億円

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