2024年1月25日(木)
きょうの潮流
旧ジャニーズ事務所創業者による性加害をめぐって「メディアの沈黙」が指摘されました。果たして「沈黙」はそこにとどまっているでしょうか▼戦争にかかわっては、2014年の集団的自衛権の閣議決定、翌15年の戦争法の強行前後の時期からテレビの沈黙は続きます。自民党派閥の政治資金パーティーの裏金づくり疑惑では、民主政治の根幹にかかわる問題だと深めることが弱い▼テレビは報道機関として役割を果たしていないと、昨年末、弁護士ら42人が呼びかけ人となり、市民ネットワーク「テレビ輝け!視聴者からのメッセージ」を立ち上げました。共同代表は法政大学名誉教授・前総長の田中優子さんと元文科事務次官の前川喜平さん▼市民ネットワークが提起する活動は多彩です。「テレビジャーナリズムの可能性を信ずる視聴者」が、テレビ局の経営者や現場のジャーナリストと討論すること、シンポジウムを開くことなどをやっていきたいと▼大きな影響力を持つテレビが、事実に基づく情報を提供し、人々の議論を喚起することが求められると訴えています。本紙に元上智大学教授の田島泰彦さんが「メディアの抜本的な改革が欠かせない。それには市民の関与が決定的だ」と寄稿しました▼放送を語る会、全国各地にあるNHK問題を考える会、市民のためのKBSをめざす実行委員会等々。市民と放送労働者の団体が、メディア状況を変えようと粘り強い取り組みを展開しています。さらに広がりを見せる運動に期待大です。








