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2024年1月20日(土)

米兵 本国移送後に仮釈放

静岡3人死傷で禁錮3年 米政府圧力か

 静岡県富士宮市で2021年5月に3人を死傷させる事故を起こし、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で禁錮3年の判決を受けて服役し、昨年末に米国に移送された米海軍兵が12日に仮釈放されていたことが分かりました。米CNNが報じました。同氏の収監をめぐり、一部の米国議員が「不当な拘束」だとして米国への移送を日本政府に要請。安保破棄中央実行委員会は昨年5月末に、移送されれば刑期終了前に釈放される恐れがあり、「日本の刑罰の抑止効果が損なわれる」と批判していました。

 米兵は、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)所属のリッジ・アルコニス氏です。公務外で運転中に眠気を催したとして、飲食店駐車場に突っ込み、日本人2人が死亡、1人を負傷させました。

 CNNによると、米兵は、富士山から家族と車で移動中に「急性高山病にかかり意識を失った」と主張するも裁判所に退けられました。米兵の家族は、審理中に日米地位協定違反があったと主張。米国議員やホワイトハウスに、国際受刑者移送制度に基づいて、米国への移送を働きかけていました。

 22年8月に、米共和党議員20人がアルコニス氏の移送の検討を求める書簡を岸田文雄首相宛てに提出。CNNによると、昨年1月の日米首脳会談で、バイデン大統領が同氏の移送について取り上げ、問題解決のためのワーキングチームの設置で合意。ハリス副大統領やサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)も関与したと報じています。仮釈放翌日の1月13日に、共和党のマイク・リー上院議員はSNSで、「(米兵の)家族や米国に日本は謝罪する義務がある」と投稿しました。


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