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2024年1月20日(土)

きょうの潮流

 あの手この手の脱税者と国税局職員とのたたかいをコミカルに描いた伊丹十三監督「マルサの女」。政治家や銀行までが絡んだ大がかりな脱税の手口が暴かれていきます▼1987年の公開から数年後、それを地で行くような事件が起きました。政界のドンといわれ、当時自民党の副総裁だった金丸信氏が東京佐川急便から5億円の闇献金を受けていたことが発覚。後に脱税で逮捕され、自宅からは金の延べ棒などが押収されました▼東京地検は5億円をうけとった金丸氏を政治資金規正法違反で略式起訴。わずか20万円の罰金という決着に、国民の批判や怒りがふっとうしました。このとき一番問題なのは何かと聞いた世論調査では「政治の金権体質が変わらないこと」が最も多い答えでした▼闇献金や賄賂、裏金づくり。不正なカネの問題をくり返してきた自民党。反省なき姿は今も▼派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で東京地検は安倍派と二階派、岸田派の会計責任者らを在宅や略式起訴としました。しかし、派閥トップや事務を仕切ってきた幹部については立件を見送り。不信は高まるばかりです▼巨額の収入を記載漏れで済ますのか。裏金づくりは誰が指示して何に使ってきたのか。岸田首相は自身の派閥を解散し各派閥もそれに続くといいますが、実態の解明から目をそらしたままで「信頼回復」などありえません。ことは闇のカネで政治がゆがめられてきた問題です。ここは「マルサの女」ならぬ、世論の力で巨悪は眠らせない。


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