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2024年1月19日(金)

能登半島1.1地震

「断水 数カ月は続くと…」

石川・内灘町 液状化の被害甚大

 元日に発生した能登半島地震に伴う避難生活が半月以上たちました。「断水が数カ月は続くと言われ、困っている」「日中は自宅の片付けに行き、夜は避難所へ来ている」―。石川県内灘町(人口約2万6000人)にある避難所では、今後の避難生活や生活再建に展望が見えず、苦しんでいる住民らの声が聞こえてきました。(前田智也)


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(写真)炊き出しを食べながら隣近所の人たちと語り合う住民たち=17日、石川県内灘町(前田智也撮影)

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 金沢市に隣接している内灘町は、液状化とみられる現象で被害が甚大です。地面は隆起して電柱が斜めに傾き、断水も約860世帯で続いています。

 町内には17日現在で、避難所が3カ所あり、あわせて約130人が避難生活をしています。避難所の一つとなっている「展望温泉 ほのぼの湯」には約60人が避難。町民を対象に浴場の無料開放をしており、多くの人が利用しています。

 入浴に来た同町の女性(77)は、「幸い、自宅に大きな被害はありませんでした。家の前の道路が盛り上がって大変なことになっています。大きな余震も続いているので、安心して眠れない日々が続いています」と語ります。

 震災直後は近くの小学校へ避難し、「ほのぼの湯」でも避難生活をしていた女性(76)は、特に被害が大きかった同町の西荒屋地区(人口813人)に自宅があります。自宅を元の状態に戻すには新しく家を建てるくらいの費用が必要になると言われたと語ります。「断水がしばらく続くとも言われたので、当面の生活をするためにアパートを自分で確保しました。近所の人たちみんなで、助け合いながら暮らしています」

 この日は、「JA石川かほく」の職員らが炊き出しを実施し、おにぎりや石川県の郷土料理で根菜類を使った具だくさんの豚汁「めった汁」300食分を用意。避難生活を続けている人たちはほとんどが高齢者で、「温かい食べ物がうれしい」と喜んでいました。

 娘の運転で「ほのぼの湯」へ来た同町宮坂地区に住む女性(81)は、「家の中はぐちゃぐちゃだけど、電気が来ているのでなんとか暮らしています。り災証明はこれからです。収入や貯蓄があるわけではないので、どうしたらよいか分からない」と語りました。


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