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2024年1月18日(木)

中央委員会が推薦する中央役員候補者名簿の提案にあたって

幹部会副委員長 市田忠義

 日本共産党第29回大会3日目の17日、市田忠義副委員長が報告した「中央委員会が推薦する中央役員候補者名簿の提案にあたって」は、次の通りです。


写真

(写真)報告する市田忠義副委員長=17日、静岡県熱海市

 党規約第13条は、「指導機関は、次期委員会を構成する候補者を推薦する」と規定しています。この規定にもとづいて、中央委員会として党大会に推薦する、次期中央委員会の候補者名簿、構成案について報告・提案します。

 中央委員会が党大会に提案する、中央委員会の構成案は、中央委員190人、准中央委員25人、合計215人です。みなさんに配布されている中央役員候補者名簿のとおりです。

 名簿案作成の基本的考え方、そのいくつかの特徴、作成にあたって留意したことについて説明します。

 中央委員会構成案作成にあたっては、先に承認された「第29回党大会における中央委員会の選出基準と構成について」を基本的な考え方として、これをふまえておこないました。

 第29回党大会で選出する新しい中央委員会は、党大会決定を全党に徹底し、その具体化と実践、指導に責任をもち、正確、機敏、安定した指導性を発揮できる構成にする必要があります。

 発達した資本主義国である日本での革命の事業には特別に困難な条件があります。

 その日本で、革命の事業を成功させるためには、中央委員会の、正確、機敏、安定した指導性の発揮は不可欠です。また、革命的伝統にそって、党のひきつづく確固たる路線を継承・発展させなければなりません。

 そのためには、わが党の従来からの幹部政策である「長い経験と豊かな知恵をもつ試されずみの幹部」と「将来性のある若い新しい幹部」の結合という原則を堅持し、ベテランの幹部と若い新しい幹部の双方が最大限に力を発揮できるよう構成案を作成しました。

 日本共産党は、日本の政治を根底から変革する民主主義革命を任務とし、さらにすすんで社会主義・共産主義社会を築くことを目標にかかげる変革の党であり、革命政党です。

 階級闘争は、多くの困難がともなうものであり、支配勢力は、つねにすきあらば、日本共産党をつぶすことを虎視眈々(たんたん)と狙っています。そのもとで、長年の経験と豊かな知恵をもつ試されずみの幹部の役割は欠かすことができません。

 したがって、わが党は、ある一定の年齢に達したという理由だけで、機械的に年齢で区分する立場はとらず、能力もあり、健康な方には、その条件もふまえながら、大いに党のために力を発揮してもらうことが、革命政党の立場であること、そもそも年齢だけの基準で、「党の任務を果たせるか、果たせないのか」を判断するのは、科学的な立場ではないことを前大会でも確認しました。

 なお、中央役員とその部署は、党規約で定められた任務の分担であって、身分的序列ではないという党の一貫した立場を堅持することを確認して構成案作成に当たりました。

 提案している中央委員会構成案のいくつかの特徴について説明します。

 第1に、構成の内容ですが、

(1) 中央委員に推薦する人、190人です。内訳は、

・ひきつづき中央委員に推薦する人、164人

・准中央委員から中央委員に推薦する人、10人

・直接中央委員に推薦する人、16人

(2) 准中央委員に推薦する人、25人です。内訳は、

・ひきつづき准中央委員に推薦する人、16人

・新たに准中央委員に推薦する人、9人です。

 第2に、この間、全中央役員から「自己の進退について」の希望を出していただきました。60人を超える方から、中央役員退任の希望が出されましたが、これらの方とは、個別に面談し、党の一貫した幹部政策の基本をふまえ、また、党中央・地方の党機関の現状を直視し、中央委員会構成の基本的立場を伝え、慰留しました。その結果、健康や家庭の条件などやむを得ない事情で、どうしても中央役員継続が困難な方を除いて、一定の年齢に達している方を含めて、多くの方が退任希望を撤回し、中央役員としてひきつづき頑張る決意をしていただきました。

 第3に、党大会決議案は、女性の議員・候補者をさらに増やし、女性幹部を積極的に登用することを含めて、さらなる努力をはらっていくことを強調しています。

 この立場で、中央委員会の構成に女性幹部を加えるように努力をした結果、第28回党大会の61人から7人増え68人となり、女性役員の占める率は27・6%から31・6%へと4・0ポイント高まり、30%をこえました。人数・率とも党史上最高を更新しています。

 しかし、党員に占める女性の率は50・1%であり、まだまだ不十分です。ひきつづき女性幹部の登用に努めなければなりません。中央委員会に女性幹部を登用していくうえで、とくに都道府県委員会と地区委員会の専従常任委員に女性幹部を登用することが重要であり、中央・地方ともに一層の努力が必要です。

 第4に、国会議員と地方議員(団)の果たしている役割と任務はいっそう重要性を増しており、構成案では、衆・参の国会議員21人全員を、また地方議員は新たに6人を加え、30人の地方議員を中央委員に推薦する案となっています。

 第5に、今回、准中央委員に25人を推薦していますが、新たに准中央委員に推薦している人は9人です。第28回党大会で准中央委員に選出された方で、今回もひきつづき准中央委員に推薦している方が16人ふくまれています。これらの方々は、これまでの活動実績から見て、中央委員に推薦したいと思う方々です。しかし、あとでのべる中央委員の総数を適切なものにしなければならない事情、特定の都道府県委員会に偏らないようにする配慮から、今回推薦に至らなかったものです。

 第6に、中央委員と准中央委員に新たに25人の方を推薦する案になっていますが、そのうち13人が地方党組織の人たちです。今回も地方党組織からの中央役員の推薦を重視しました。

 また、ひきつづき、すべての都道府県委員会に中央役員を適切に配置するとともに、可能な限り特定の都道府県委員会に偏らないよう配慮した案にしました。

 第7に、党規約は党員の権利と義務として「市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたす」ことを定めています。

 この見地から、中央役員の推薦にあたっては、能力とともに品性を重視しました。市民道徳、社会的道義に問題のある人、謙虚さに欠け、粗暴なふるまいのある人は、推薦しない立場で構成案を作成しました。

 第8に、党中央の財政状況を考慮し、中央役員の総数を適切なものにするよう努力するとともに、先にのべた諸点を重視して構成案を作成した結果、第28回党大会選出数221人より6人減る構成案となりました。

 第9に、健康、家庭などのやむを得ない事情で、今回中央役員を退任する方は31人です。それぞれの条件を生かし、党本部や地方で適切な任務につき、積極的役割を果たしていただくことにします。

 以上が、中央委員会が、第29回党大会に推薦する中央役員候補者名簿案、構成案です。ご検討ください。

 つぎに、党規約第28条にもとづき、党大会に報告し承認を受ける名誉役員の名簿についての提案です。

 退任される中央役員のうち中央役員歴20年以上の方は13人ですが、その中で12人を新たに名誉役員に推薦しています。1人はひきつづき党本部で任務につくことになっています。本部勤務を退職されるときに名誉役員に推薦したいと思います。

 第28回党大会で名誉役員に承認された54人のうち、この間、河邑重光さん、木谷八士さん、小島優さん、児玉健次さん、五島寿夫さん、菅生厚さん、寺前巌さん、花房紘さん、細野義幸さん、山手叡さん、若林暹さんの11人の方が亡くなりました。みなさんとともに、長年の労苦に思いをはせつつ、心から追悼の意を表したいと思います。

 なお、これまでの名誉役員で辞退された方がおひとりおられます。

 したがって、42人の方をひきつづき名誉役員に推薦することになります。

 今回新たに推薦する12人の方と合わせて54人を名誉役員として推薦し、党大会に報告し、承認をうけたいと思います。

 最後に、第28回党大会の第2回中央委員会総会は、佐藤文明中央委員から、家庭の事情により中央委員を辞任したいとの申し出をうけ、それを承認し、中央委員の任を解きました。こうした場合、党規約第23条では、つぎの党大会に報告し承認をうけると定めています。今党大会として承認をおねがいします。

 以上が党大会にかかわる人事についての提案です。ご検討いただくようお願いします。


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