2024年1月17日(水)
第29回党大会討論から
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大会討論では、第28回党大会で行った綱領一部改定が発揮している大きな生命力、130%の党づくりの実践と確信、世代継承、自民党政治を終わらせ希望ある日本をつくる決意などが生き生きと語られました。大会参加者は、あたたかく、真剣なまなざしを向け、討論に聞き入りました。
改定綱領の生命力
社会変革の展望語ろう
世界の本流と逆流を大局的にとらえる改定綱領の生命力や、「人間の自由」との関わりで社会主義・共産主義の魅力を解明した決議案の内容が実践で深められています。
日本共産党代表団として核兵器禁止条約第2回締約国会議に参加した笠井亮衆院議員は、「平和を求める世界の本流の力強い発展と成長を目の当たりにした」と実感を込めて報告。各国の参加者から「この世界に核兵器はいらないというべき」(メキシコ)、「核抑止は決して安全にはつながらない」(マルタ)と痛烈な批判が相次ぐ中、会議が次回までに「核抑止」論からの脱却を訴える報告書の作成を決めたことを大きな成果として強調しました。
東京都の田辺良彦委員長は、未来社会論の威力を力説。昨年の秋以降の民青同盟員176人拡大の対話の内容の大きな特質の一つが資本主義への矛盾の関心の強さだとして、「未来社会論の値打ちを広げることができれば、強く大きな党をつくる大きな可能性があることを示している」と述べました。
愛知県の都出浩介青年学生部長は“社会主義・共産主義について知りたい”と県委員会を訪ねてきた高校生に、決議案第4章の内容をそのまま話すと「自分たちが学校やニュースで見てきたこととはまったく違う内容で驚いた」との反応が返ってきた経験を紹介。党員拡大でも新しい社会主義論が後押しする力となっているとして、「社会主義ブームを起こしていくくらいの気持ちで党の社会変革の展望を語り広げていく」と決意を述べました。
自民党政治終わらせる
国民的大運動起こそう
全国各地のたたかいから、自民党政治を終わらせる決意がそれぞれ語られました。
沖縄の比嘉瑞己県議は、辺野古米軍新基地建設強行について「政府が代執行しようとも、沖縄県民の圧倒的民意を埋め立てることはできない」と強調。「何度でも声を上げ続け、必ず工事を止める」と決意を表明しました。沖縄では岸田政権による「戦争する国づくり」が進められているが、根源には日米安保条約があると指摘。辺野古新基地反対の「オール沖縄」の共同を大切にしながら、対等・平等・友好の日米関係をつくろうと、党の旗を高く掲げることが重要だと述べました。
岩手県の菅原則勝県委員長は、昨年の岩手県知事選挙で、高校生までの医療費の無料化など多くの実績がある達増拓也知事の再選を、自民党丸抱えの候補に10万票差で勝ち取り「野党共闘の再構築に狼煙(のろし)をあげることができた」と発言。大きな拍手に包まれるなか、「自民党政治を終わらせるには共闘しかない」と強調。「カギは日本共産党の躍進だ」と力をこめ、大会決定を血肉に奮闘する決意を述べました。
「しんぶん赤旗」日曜版の山本豊彦編集長は、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑の端緒となった日曜版スクープは「パーティーを含む企業・団体献金の禁止を訴え続け、歯を食いしばって自前の党財政をつくってきた全党の力によるものだ」と強調。企業・団体献金を温存しようとする自民党を批判し「腐敗政治一掃、企業・団体献金禁止で国民的運動を起こそう」と呼びかけました。
中国ブロックの大平喜信比例予定候補は、中国地方で消費税廃止を求める動きや、河井克行元法相の大型買収事件の告発など市民の運動が自民党政治を追い詰める一方、統一地方選で日本共産党議席の増加を勝ち取ったことを報告。自民党政治を終わらせる「二つの力」を発揮していこうと発言しました。そして、被爆80周年の来年までに自らの国会議席を取り戻すと表明しました。
「党員拡大の空白」教訓
草の根の奮闘で打開へ
志位和夫委員長が中央委員会を代表してのあいさつで解明した党建設で新入党者の「空白の期間」(1990年代)に関する歴史的教訓についての発言も積極的に語られました。
京都の渡辺和俊府委員長は、党員拡大を後景に追いやる方針上の誤りについて、当時の府委員会幹部と大激論したことを振り返り、「一度間違った方針が決定すると、その弊害は長期にわたって党活動の後退につながることを改めて痛感した」と発言。「党員拡大の日常化」と「世代的継承」への取り組みの決意を語りました。
愛媛県中予地区の杉村千栄委員長・松山市議は、地区党での分析でも長期にわたって「空白の期間」の影響を打開できずにきたことが数字の上でもリアルに迫ってきたが、すべての支部が参加する「大運動」で奮闘し、2020~22年の3年間の1・7倍の新入党員を昨年1年で迎え、「空白の期間」の年平均の入党者をこの半年の大運動で迎えたことを紹介しました。
群馬県・東毛地区の渋澤哲男委員長は「全党の力で空白を埋める決意を固めあおう」と力を込め、130%の党づくりを達成した支部が生まれていることは希望とし「草の根の結びつきをもつ支部には、いわば前進への無限の可能性がある」と強調しました。
130%の党づくり
議論重ねて行動で確信
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各地の支部や議員から創意あふれる「大運動」のなかで「130%の党づくり」に向けた確信がいきいきと語られ、会場は感動と共感の拍手に包まれました。
北海道・十勝地区の稲葉典昭地区委員長は党機関で「息をするように党生活に位置づく党建設をしよう」と議論。情勢や課題を学ぶ学習を続け、機関役員が情勢を科学的社会主義と綱領の視点で語れるようになり、支部と入党を訴えた機関役員は90%に達したと語りました。
「大運動」の最初の月の昨年7月、党員で大会現勢を回復した福岡・西部地区の田中美由紀地区委員長は、党機関の政治討議は情勢にとどまらず「なぜ党勢拡大か」など徹底論議の結果、「130%の党」を目指す決意と構えが確立されたと強調。入党対象者を広くとらえ繰り返し働きかけたことで、入党の働きかけを自覚化・日常化し「大運動」がなくても日常的に入党者を迎える「党員拡大の日常化の方程式」をつかみつつあると述べました。
長野県松本市の犬飼明美市議は「赤旗」読者に「選ばず飛ばさず入党を訴えよう」と、約60人に働きかけた結果、日刊紙・日曜版も「130%」をやり切ったと発言。土台に「ストップ安倍改憲3千万署名」で全戸数の53%の筆数に達した経験があり「多数者革命の立場で多くの人に入党を働きかけるのが党の役割だ」と力を込めました。
「第30回党大会までに『180%』を目指します」と宣言し、大きな拍手に包まれたのは千葉・市原市辰巳台地域支部の木林恵美代議員。支持者らとマイナンバー問題やガザ問題など30以上のテーマを「集い」で議論しました。広く入党を働きかけ、地道に訪問活動も続け、党員は155%、一人ひとりの党員が拡大行動に立ち上がり、日曜版は130%を達成しました。
「17年前に市議候補として頑張った夫が急逝し、その後を受けての挑戦でした」と切り出したのは広島・西地区の清水貞子市議。6度目の挑戦の昨年春の市議選で、広島市安佐北区で初議席を勝ち取ったと述べると温かい拍手や目頭を押さえる人がみられました。清水市議は「党勢が決定的に弱いことを打開しないことには議席獲得はない」と執念をもって支部と行動したと述べました。
山口県・北南地区の三藤美智子地区委員長は、「総選挙勝利には130%をやりきるしかない」を心の合言葉にし、党員の大会現勢突破を実現した経験を紹介。「日本共産党員でよかったといえる人生を自分たちの手でつくろう」と力を込め、拡大目標は「乗り越えられる壁だった」と強調しました。
討論では、労働組合運動を通じての党づくりについても発言がありました。
愛知県の教員支部の靜本麗さんは、“非常勤講師に残業代を”のたたかいを報告。このたたかいを労組や市民団体で支えてきたのが共産党員であり、支部でも20代の若い教員を党員に迎えたと報告しました。
また、東京の経営対策委員会の水原純さんは、22年ぶりに大企業の子会社で働く労働者を党に迎えた経験を報告。「厳しい大経営のなかでの党活動には徹底した討論と意思統一、民主集中制が欠かせない」と力説し、「職場に日本共産党の灯を残し、新しい社会を切り開く、強く大きな党づくりに挑戦し続けていく」と決意を表明しました。
世代的継承 元気に
青年の模索にかみ合う
討論では党建設での世代的継承への努力とともに、若い代議員の自身の奮闘がいきいきと語られました。
東北地方のある学生支部の代議員(24)は、昨年2月に志位和夫委員長が支部を訪れた際に、学生の徹夜バイト・ブラックバイトの問題が話題となり、志位氏が「学生に自己責任を強いるのではなく、最賃の引き上げや奨学金を充実させるなど、社会構造を変えなければならない」と応じたと指摘。「その後、日本共産党の国会議員が各所で学生のアルバイト問題を取り上げてくれたことを大変心強く感じている」と述べ、自分たちも要求実現に踏み出す決意を語りました。
埼玉県の青年学生部の小沢結実さん(27)は、前大会期から学生党員を約4・75倍に前進させた経験を語りました。「学生オンラインゼミ」を結節点に拡大に踏み出す中で、“入党を訴えることは「社会を変えるためにもっと頑張りたい」という学生に思いを伝えることだ”と認識を新たにしたことを強調。「学生党員一人ひとりの成長と自覚が民青同盟や党の質的前進につながると確信になっている」と発言しました。
北海道の民青は、同盟員の拡大目標360人を超過達成する歴史的到達となっています。山本朱莉(じゅら)委員長(27)は、拡大の要因として「加盟呼びかけ文」の活用や節目標を立てて毎月やりきる努力をしたことを報告。また、当初掲げた年間目標150人を半年で達成しても「道内67万人いる青年に対し150人の拡大では満足していられない」と拡大を手放さなかったと強調しました。
東京都の民青の新田祐也委員長(32)は、年間目標800人の加盟を達成・突破したことを報告。青年・学生の巨大な変化と模索に党綱領がばっちりかみあっていること、決議案が示した「人間の自由」にかかわる社会主義・共産主義の魅力が青年に輝いていることを強調しました。
高知県・宮田志野須崎市議は、2年ほど前に世代的継承委員会を立ち上げ、「徐々に芽が出始めた」と紹介。関心や要求に合わせた真ん中世代党員の学習交流会を開き、「カレーと戦争」「唐揚げと政治」「かつての戦争と春の天ぷら」など工夫し、交流会で一人ひとりの思いや苦労などを共有でき、これまで知らなかったことを知ることで参加者の世界が広がっていくと語りました。
大阪府・堺地区の稲月直江副委員長は、真ん中世代の党員が生き生きと活動できる地区委員会づくりに取り組み、真ん中世代党員のジェンダー学習会の案内を呼びかけるなかで「地区委員会は私たちの世代のことを考えてくれているとうれしかった」との声が寄せられるなど「この分野での活動強化が今ほど待たれている時はない」と力を込めました。
大阪府の能勢みどり副委員長は、28回大会後に「真ん中世代委員会」を立ち上げて活動してきた経験を報告。真ん中世代が生き生きと活動できるようにするのが躍進のカギだと強調し、ベテラン党員が聞き役に徹すること、意見を否定せずに共感から出発することなど、模索の過程を報告しつつ、「大会決議案が真ん中世代の大きな期待となっている」とのべました。