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2024年1月15日(月)

能登地震で問われる原発の危険性

想定超えた揺れ 深刻なトラブル

志賀原発は廃炉に

山添拓参院議員に聞く

 能登半島地震によって北陸電力志賀原発(石川県志賀町)で、さまざまな深刻なトラブルが発生しました。設計上の想定を超える揺れが観測され、事故時の避難計画の非現実性など、地震によって見えてきた原発の危険性について、内閣府と原子力規制庁から聞き取りをした日本共産党の山添拓参院議員に聞きました。


写真

(写真)山添拓参院議員

 地震の揺れによって、変圧器が故障し、外部電源が一部使えなくなり、絶縁や冷却のための油が漏れ出しました。また、使用済み核燃料プールのポンプが止まり一時的に冷却が停止するなどのトラブルが起こりました。

 トラブルについて、北陸電力や政府がいつ、何をどこまで把握し、明らかにしていたのかという問題があります。例えば、1日16時10分の地震発生後の同49分、政府の警戒本部は、「使用済燃料の冷却の状態に異常がないことを確認」と発表しています。しかし、プールの溢水(いっすい)を確認したのは、1号機で17時18分。2号機は、2日の0時55分でした。油漏れの量は当初の発表とまったく違って5倍以上でした。事実関係を十分確認する前に、「異常なし」と公表していた疑念があります。

 1号機、2号機とも設計上の想定を超えた揺れが観測されました。今回の地震は長さ150キロにおよぶ活断層の動きが原因と言われています。再稼働に向けた審査のために北陸電力が規制委員会に提出している資料では、想定される活断層は最大で96キロです。想定を超えた活断層の動きがあった可能性があります。

 能登半島周辺で想定を超える活断層が動き、想定を上回る揺れや津波、地盤の変化が志賀原発を襲う可能性は否定できず、それを予見することは極めて困難だと思います。

 原発事故が不幸にも発生した場合の避難計画にも問題があります。計画では輪島市や穴水町、志賀町などから最大15万人の避難を想定しています。内閣府はその方法を、「基本は自家用車や支援者の車」と言っていました。道路が寸断された今度の状況を見れば、とても現実的とは思えません。

 能登地方では2020年12月から地震活動が活発化しており、昨年5月には最大震度6強の地震が発生しています。北陸電力は、能登半島を「複雑な断層帯だ」と認めています。すべての原発を廃炉にすることが必要ですが、とりわけ志賀原発は廃炉しかありません。


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