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2024年1月14日(日)

「出産だけで命落とす」

ガザ惨状 国連機関現地代表訴え

住民の声は「いま停戦を」

 【ワシントン=島田峰隆】国連人口基金(UNFPA)パレスチナ事務所代表のドミニク・アレン氏は12日、イスラエルの軍事侵攻を受けるパレスチナのガザは「われわれが想像しうる最悪の悪夢を超えた惨状になっている。女性や子どもが最大の被害者だ」と指摘し、即時停戦を求めました。

 アレン氏はエルサレムからオンラインでニューヨークの国連本部での記者会見に臨み、最近訪問した南部の病院や避難所の現状を報告しました。

 イスラエルによる攻撃が続き、援助物資が届かないなかで「妊婦は栄養不良や医療ケアの不足に苦しんでいる。爆弾で殺害されなくても、出産するだけで命を落とすことになる」と警鐘を鳴らしました。

 南部ハンユニスの産科のある病院には約8000人の避難民が押し寄せており、妊婦が近くの別の病院に移送される事態になっています。ある移送先の病院では、受け入れ人数の上限を超える、1日あたり70~80件の出産に対応せねばならず、出産から1時間で分娩(ぶんべん)室からの退室を求められているといいます。

 UNFPAは妊婦への支援や生理用品の配布に努力しています。アレン氏は「現地からは女性や少女の尊厳を守るよう求める声が上がっている」と強調。「この状態は止めねばならない。“いま停戦を”というのがガザ住民とわれわれのメッセージだ」と述べました。


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