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2024年1月14日(日)

きょうの潮流

 日に1000円ずつ手渡し。そのためには毎日、ハローワークで印鑑をもらってくる…。群馬県桐生市で発覚した、生活保護費の支給をめぐる市の対応です▼大声で怒鳴る、保護費を一部しか支給しない、本人の許可なく押印する、従わないと保護を取り消すと脅す。こんな窓口対応が常態化していました▼生活苦が広がるなか、同市では保護率が年々低下。市民を威圧し、申請書すらわたさない水際作戦でした。PTSDや引きこもりになったり、他市へ転居した利用者も。同市の保護却下・取り下げ率は4割超と異常です▼昨年11月、50代の男性が月に保護費の半分ほどしか受け取っていないと群馬県司法書士会に相談して事態が発覚、その後も悪質なケースが数々判明しました。市長は「深く反省」を口にしますが、議会で当局者は「先に向こうが大声を出した」「職員の力量不足」と責任を転嫁します▼金銭管理を他の民間団体に任せ、利用者が自由にお金を使えない状況も生じています。市は「紹介してるだけ」と言い逃れますが、専門家からは「地位乱用の疑い」も指摘されています。被害の広がりや深刻さに市民団体などが現地調査を予定、当事者らは近く市に国家賠償請求訴訟を行う構えです▼生活保護をめぐっては各地で問題が。生活に必要な車が処分されたり、9カ月も保護費が支給されなかった例も。生活保護は生活の保障とともに、自立の助長を目的にしています。こうした対応が何の解決にもなっていないのは明らかです。


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