2024年1月14日(日)
イエメン緊張に懸念
国連安保理 自制求める声相次ぐ
【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は12日、米英両軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を攻撃したことを受けて緊急の公開会合を開きました。各国はフーシ派による紅海での商船攻撃を批判するとともに、中東地域での緊張激化に懸念を示し、当事者に自制を呼び掛けました。
国連のキアリ事務次長補は「フーシ派による攻撃と11日の出来事(米英軍による攻撃)は中東地域が危険な緊張激化の軌道に乗っていることを示している」と指摘。「すべての当事者が緊張激化を避けるため最大限努力しなければならない」と述べました。
アルジェリアは「武力の行使はイエメンの情勢を複雑にし、イエメンの戦争を終わらせる国連特使の努力を弱めるだけだ」と指摘しました。また「紛争の根本原因に対処することが不可欠だ」とし、「パレスチナのガザでの即時停戦だけが中東地域の緊張を緩和し、紛争の広がりを避けることができる」と強調しました。
スイスは米英両軍による攻撃について、国連安保理が10日に採択した決議の範囲を超えるものであり、「不釣り合いだ」との認識を示しました。緊張激化を避けるために「すべての当事者に対し国際法を順守しながら最大限に自制することを求める」と述べました。
スロベニアは「商船を攻撃から守るいかなる行動も国際法を全面的に順守して行われなければならない」と述べました。
会合開催を要請したロシアは米英両軍の攻撃について「国連憲章違反だ」と指摘。中国は「紅海での安全保障上の危険を高めた」と批判しました。
米英両国は「自衛権」に基づく「必要で釣り合いの取れた行動」だったと正当化しました。日本は「航行の自由と安全を守る責任を果たす米英の決意を支持する」と全面支持を表明しました。








