2024年1月13日(土)
イスラエルはジェノサイド条約違反
南ア提訴 ICJが審理開始
【カイロ=秋山豊】国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は11日、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区で国際条約に違反してジェノサイド(集団殺害)行為を行っているとする南アフリカの提訴を受けた審理を開始。南アは、ICJがイスラエルに対し、軍事作戦の停止を緊急に命じるよう求めています。
南アのラモラ法相はイスラム組織ハマスによる昨年10月7日のイスラエルへの攻撃を批判しつつ、「いかなる武力攻撃も、ジェノサイド条約違反を正当化する理由とはならない」と指摘しました。南ア側は6人の法律家が3時間にわたって弁論を行い、パレスチナ人の大量殺害や、重大な身体的・精神的危害を与えてきたことを具体的に告発しました。さらに政府と軍の指導者が、公然とジェノサイドの意図を示す発言を繰り返し、それが国策となっていると主張。イスラエルのネタニヤフ首相が、旧約聖書の言葉を引いて、事実上ガザ住民の皆殺しを呼びかけたとされる発言や、イスラエル兵たちが「ガザには、罪のない者はいない」と歌い踊る動画も提示しました。
ジェノサイド条約は、第2次世界大戦中のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の惨禍を受けて1948年に制定。イスラエルも南アフリカも同条約を批准しています。南アは、批准国にはジェノサイドを防止して処罰する義務があるとして提訴に踏み切りました。








