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2024年1月11日(木)

避難生活 血栓に注意

胸痛出たら「早めに相談を」

長く同じ姿勢・脱水など危険

 能登半島地震で多くの住民が避難生活を続けるなか、日本血栓止血学会は、狭い避難所での生活や車中泊で発生しやすい肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の予防を呼びかけています。新型コロナ感染症でも血栓症のリスクが高まるとして「感染時には無症状や軽症であっても注意が必要」と呼びかけています。

 避難所で長時間にわたる窮屈な姿勢や運動不足で、脚の静脈の血行が滞ると、血の塊(深部静脈血栓)ができやすくなります。この血栓がはがれて流れ肺の血管を詰まらせる(肺血栓塞栓症)と、最悪の場合、心肺停止に至ることがあります。

 長時間同じ姿勢を続けた後に、歩行時の息切れ、胸の痛み、一時的な意識消失、あるいは片側の脚のむくみや痛みなどが出た時は、「早めに医療従事者に相談してほしい」としています。

 とくに注意が必要な状態として、ストレス、高齢、肥満、妊娠中・出産直後、外傷や骨折の治療中、下肢まひ、がん、慢性の心肺疾患などを挙げます。「その上に脱水や運動不足など他の危険因子が加わると一気に危険性が増す」といいます。

 予防のポイントは▽歩行や足首の運動(ふくらはぎの筋肉を動かす)▽水分を充分にとり脱水を避ける(脱水は重篤な血栓性疾患の原因になる)▽降圧薬や血液の流れをよくする循環器疾患の内服薬は必ず継続する―など。

 車中泊では▽なるべく脚を伸ばす▽助手席や運転席で寝る場合もできるだけひざから足首までの部分を心臓より高く上げて伸ばし、うっ血を防ぐことが大切だとしています。


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