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2024年1月8日(月)

震災あっても維新 万博に固執

経済界からも懸念の声

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(写真)建設中の大阪・関西万博会場=大阪市此花区・夢洲

 2025年大阪・関西万博の膨れ上がる費用や人手、資材を能登半島地震の被災地支援にあてるよう求める声がX(旧ツイッター)などで広がるなか、日本維新の会は依然として万博推進の立場に固執しています。万博の会場建設費は当初の1250億円が2350億円にまで拡大。会場周辺のインフラ整備費は8390億円、万博関連インフラ整備費の総額は9・7兆円にのぼると政府が発表しています。

 大阪府の吉村洋文知事は4日の記者会見で、被災地支援と万博は「二者択一の関係ではない」「万博があるから(復興の)費用が削減されるものではない」と主張。馬場伸幸代表は5日の記者会見で、「万博の準備と復興は同時並行でやっていくべきだ」などと述べました。

 同日のBSフジ番組「プライムニュース」で、万博が赤字になったらどう責任をとるのかと問われた馬場氏は、万博の主催者は国、大阪府・市、経済界だとして、「この3者がよく協議、相談して対処していく」と強弁。コメンテーターの田崎史郎氏(政治ジャーナリスト)から「形式論理はその通りだが、政治責任は免れない」と指摘されると、「政治責任を負うということは理解している」と認めざるをえませんでした。

 一方、カジノ推進派の木曽崇国際カジノ研究所所長は「今『万博も復興も』と言ってる人は、(1)土木建設リソースは有限ということ、(2)今全国の開発が『万博シフト』でリソース不足となってることが理解できてない」とXに投稿。経済界からは、地震の甚大な被害を考慮し、万博を予定通り開くことに懸念の声が上がり始めています。

 日本国際博覧会協会の副会長を務める経済同友会の新浪剛史代表幹事は5日、経済3団体の共同記者会見で、能登半島地震は「大変厳しい状況にある」と指摘。「人命第一、これが政策としてしかるべきだ。そういうことであれば世界は理解してくれると思う」と述べ、万博延期の可能性を示唆しました。

 前回、2020年にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕予定だった万博は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、1年延期されています。


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