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2024年1月6日(土)

能登地震

津波被害の能登町では 朝食 菓子パン1個

 1日に起きた能登半島地震と津波で多数の家屋が倒壊した石川県能登町。発災から4日たち、住民たちはどんな生活をしているのか―。(細野晴規、矢野昌弘)


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(写真)津波にのまれた自動車=5日、石川県能登町

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 町の観光スポットである恋路海岸を望む同町松波地区には、高さ1・5メートルほどの津波が押し寄せました。同地区の近くにある九里川尻川ぞいの建物の壁には、くっきりと津波の痕跡が残っています。池のようになった場所には、津波で流された車が沈んでいました。

 避難所の町立松波中学校には、校舎や体育館に多数の段差やひび割れができています。同町職員によると、避難所に登録した住民は700~1000人。体育館では、厚手の段ボールを間仕切りにしたり、床に敷いたりしていました。

 職員は「今日の朝食はパン1個とお菓子。飲み物は、一番ひどい時は500ミリリットルのペットボトル1本でした」と、食事確保の悩みを語ります。

 自宅が津波の被害を受け、避難している男子高校生(17)は「今朝は菓子パン1個。昨日の夕方がサツマイモのおかゆ、昼はパン一つか、ミカン三つのどちらかを選んでくださいというメニューだ。ずっと似たような食事なので、もう思いだせない。温かいものが食べたい」と話します。

 4日の夕方には歯ブラシと液体のマウスウォッシュが配られました。それまで歯ブラシが無かった避難者もいたといいます。

排せつ物流せない

給水2時間待ち

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(写真)内浦浄水場で給水を受ける住民=5日、石川県能登町

 松波中学校には、高齢者もおり、看護師が常駐しているといいます。町職員は「水道も通じておらず、避難生活がいつまで続くか見通せない」と話します。

 松波地区に近い行延地区では、断水が続いています。付近の内浦浄水場では、ろ過されたきれいな水を受けるタンクが破損したため、配水できなくなりました。このため、ろ過した水を同浄水場で住民らに直接給水しています。

 ここには近隣から多くの住民が訪れています。車で10分ほど離れた地域から来た男性(50)は「地元で水を配っていなくて、知人に教えてもらってきた。給水の情報も全然こない」と語ります。

 職員によると、1日200台の車が並び、2時間待ちの行列になります。2日から始めた給水活動は午前8時から日が暮れるまで続くといいます。「職員3人でやっている。もっと職員がいれば多くの人に早く渡せるのに。職員自身も自宅が被害を受けて難しい」と嘆きます。

 同地区で4人暮らしの女性(69)は、「トイレにはみんな困っているのではないでしょうか」と語ります。断水で排せつ物を下水に流せないため、尿は便器にかけたビニール袋にして、バケツに移しています。大便は紙に包んで置いているといいます。

 女性は「地震がなければ、4日からゴミ収集が始まった。ゴミ出しがいつになるかも決まってない。こうしたものがどんどんたまっていくと困る」と話します。


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