2023年12月29日(金)
黒い雨区域 推定困難
厚労省の有識者検討会が報告
広島への原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」の被害による援護対象区域を再検討する厚生労働省の有識者検討会が27日、東京都内で開かれました。気象シミュレーションや土壌調査を行った結果、「黒い雨」が降った地域を推定するのは困難との作業部会の検証結果が報告されました。
疾患罹患(りかん)状況などを調査した作業部会は、「黒い雨」を浴びて放射線被ばくしたことによる直接の健康被害を確認することは困難だったと報告しました。
広島「黒い雨」訴訟での広島高裁の原告全員勝訴判決について、政府は上告を断念し、昨年4月から援護対象を広げましたが、被爆者健康手帳の交付申請を却下される人が相次いでいます。
委員の鎌田七男広島大学名誉教授は、11月末現在の広島県内の申請状況を報告。5798件の申請に対して認定が5153件、却下が268件(いずれも、のべ件数)となっていると指摘しました。








