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2023年12月28日(木)

抜け穴監視の視点 スクープに

緊急集会 田中副編集長(赤旗日曜版)の報告

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(写真)報告する田中倫夫「しんぶん赤旗」日曜版副編集長=27日、衆院第1議員会館

 政治資金収支報告書を見ている記者が、派閥のパーティー券を議員個人が買っていることに気が付きました。調べてみると議員が買ったことにしてそれを企業団体に売り、1件20万円なら報告の義務もない。さらに業界の収支報告書には買った記載があるのに、売った派閥の方には記載がないというケースもありました。派閥側に問い合わせもしながら、コツコツと調査を積み上げると2500万円近くの不記載がある。これはうっかりミスではなく脱法的、組織的な手口だとして昨年の11月に日曜版で特集しました。これを受け神戸学院大学の上脇博之教授が詳細な調査をして刑事告発し、検察が動きました。

 日曜版の告発を続報するメディアはほとんどありませんでした。検察が動いてやっと報道しています。2019年の「桜を見る会」のときと同じ構造です。

 私たちがなぜこれをやれたのか。政治資金パーティーは、わいろ性の高い企業・団体献金の抜け穴で、歴史的経緯からも許されないという問題意識を持っていました。大半のメディアにはこの基本的視点がないのです。また政治家も含めて、政治資金収支報告書の不記載は「実質的な違法性のない形式犯」だという見方があります。しかし、これは国民の知る権利が侵害され、国民が被害に遭っているという問題です。

 キックバックで裏金をつくり、その汚れた手で大軍拡や憲法改悪を進めることなど許せません。さらなる取材で国民の期待にこたえたいと思います。


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