2023年12月27日(水)
イチョウ並木が危機
外苑再開発 日本イコモス、アセス再審要請
![]() (写真)記者会見する日本イコモス=26日、都庁 |
ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)の日本国内委員会は26日、都庁で記者会見し、神宮外苑のイチョウ並木が衰退しているにもかかわらず、再開発事業者が環境影響評価(アセスメント)で「健全」としているのは「虚偽の報告だ」と批判し、都審議会をやり直すよう都に要請しました。
三井不動産など事業者側は、青山通り入り口から延びる4列(128本)のイチョウ並木を保全するとしていますが、新野球場建設予定地となっている秩父宮ラグビー場前の2列(18本)のイチョウ並木については明言していません。
イコモスの石川幹子理事は会見で、昨年11月から今年11月にかけてイチョウ並木146本の調査を行い、昨年11月には「著しく衰退」1本、「要注意」5本だったのに対し、今年11月には「著しく衰退」4本、「要注意」4本に増えたと指摘。「人の利用の影響に加え、観測史上初めての猛暑日の連続など地球温暖化の影響だ」と強調しました。
この下で、イチョウ並木の縁からわずか8メートルの位置に新野球場を建設すれば、地下水の循環や日照、通風に悪影響を及ぼし、保全が極めて困難になると指摘しました。
事業者が今年1月に提出したアセス評価書でイチョウ並木を「すべて健全」としたことについて、調査が2018年に行われたものであるにもかかわらず、見直しをしていないのは「現状と著しい乖離(かいり)があり虚偽の報告」と批判。都アセス審議会が「虚偽はなかった」と審議を終えたのは誤りだとして、再審を求めました。









