2023年12月26日(火)
世界で広がる先住民族への謝罪
政府見解示さず
紙議員へ答弁書
![]() (写真)紙智子参院議員 |
岸田文雄内閣は22日、日本共産党の紙智子参院議員の「先住民族政策の世界の流れとアイヌ施策推進法施行後の施策の検証に関する質問主意書」への答弁書を決定しました。
国連「先住民族権利宣言」採択(2007年)以来、メキシコ大統領やデンマーク首相が先住民族に謝罪し、オーストラリアは同化政策による被害への賠償を決定しています。質問主意書は「世界で広がっている謝罪の動き」への見解を求めましたが、答弁書は「各国の内政等に関する事項」だとの理由で回答を拒否しました。
日本政府は、アイヌ民族への謝罪もせず、同化政策や強制移住を強い、サケなどの資源を奪った歴史も明らかにしておらず、その後進性が問われます。
同宣言を受け19年に成立した「アイヌ施策推進法」は来年5月以降見直すことになっています。紙氏は同法見直しにアイヌの団体や個人が幅広く参加できる仕組みを要求。答弁書は「御指摘の点も検討する」としています。
同法は都道府県が基本方針を定めるよう求めていますが、答弁書は、基本方針を策定したのは北海道だけだとしています。
参院が採択した同法の付帯決議は「不当な差別的言動の解消に向けた実効性のある具体的措置」を政府に要求しています。紙氏は、頻発する差別的な言動やネット投稿に対して政府が取った措置を質問。答弁書は「関係省庁と連携して、教育活動の推進、各種人権啓啓発活動や人権に関する相談などを実施している」と答えるにとどまりました。
紙氏は、無年金の長老(エカシ・フチ)の生活保障が課題だとして、アイヌ施策推進法成立以来、生活実態調査を行ったかと質問。答弁書は9月からの北海道による調査以外「実施していない」と回答しました。
答弁書で、国立大学や博物館などにアイヌの遺骨316体のほか62箱分の遺骨(人数不明)が存在することも明らかになりました。









