しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年12月24日(日)

防衛省 ハラスメント245人処分

特別防衛監察 申告制 氷山の一角

 防衛省は22日、ハラスメントに関する特別防衛監察の結果を公表しました。昨年9月~11月の被害申し出1325件のうち、計207件245人が処分(表)を受けたとしています。パワハラによる精神疾患や暴行、傷害、セクハラなど刑事事件にもなりえるような被害が出ており、降任などの懲戒処分が相次ぎました。

 特別防衛監察は、在職中の性暴力被害を実名で告発した元陸自隊員、五ノ井里奈さんの告発を受け、実施されました。

 2階級降任の処分を受けた50代の陸将補は、2020年3月~22年12月、「階級章外せ」などと威圧的な言動を繰り返して部下に精神的苦痛を与え、5人が精神疾患を発症し最長9カ月休職。直属の部下だった1等陸佐も2人の休職に関与し、1階級降任となりました。

 50代の海将補は部下に長時間の指導や理不尽な指示をしたとして、減給6分の1(2カ月)の処分を受けました。

 胸部を殴打する等の暴行を部下に加え停職1カ月となった3等陸佐や後輩の左大腿(だいたい)部付近を後ろから蹴る等し、全治2週間の傷害を負わせ停職3カ月となった3等海曹もいました。

 30代の3等陸曹と21歳の陸士長がそれぞれ後輩の身体を執拗(しつよう)に触る等のわいせつ行為で免職に、19歳陸士長が同僚の臀部(でんぶ)と胸部を触り停職6カ月になりました。

 ただ特別防衛監察はあくまで被害者の申告制です。防衛省が今年8月18日に公表した監察結果では、「指揮官が内部告発を、担当者と結託してもみ消した」「指揮官から『事を大きくするとおまえも職場にいられなくなるぞ』と言われた」といった自衛隊の隠ぺい体質が告発されており、今回明らかになった被害も氷山の一角にすぎません。

ハラスメント被害の申出案件1325件の進捗(しんちょく)状況(単位:件)
区分 申出案件 進捗状況
確認中 調査中 処分等 不十分等
陸自 771 32 122 610
海自 268 43 219
空自 185 27 155
機関等 101 15 82
1325 12 40 207 1066
懲戒処分等人数(ハラスメント等の種類別) (単位:人)
区分 パワハラ セクハラ パワハラ セクハラ そのハラスメント 規律違反
陸自 74 19 69 166
海自 21 36
空自 14 26
機関等 17
115 30 92 245
※2023年12月22日現在 ※1件の申出案件で複数人を処分、複数件の申出案件で1人を処分している場合があるため、件数と人数は異なる(防衛省資料から作成)

pageup