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2023年12月22日(金)

ガザ 女性ら極限状態

イスラエル軍による暴力

女性問題センター アマール・スィヤムさん

 パレスチナのガザ地区当局などによるとイスラエル軍の攻撃で20日までに2万人以上が死亡しました。そのうち女性は6200人以上、子どもは約8000人が殺されました。女性を支援するガザのNGO「女性問題センター」代表のアマール・スィヤムさん(53)は、本紙の電話取材に対し、極限状態に追い詰められる女性たちの状況を語りました。(カイロ=秋山豊)


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(本人提供)

 イスラエル軍は、ガザの女性たちから夫と子ども、親、きょうだい、そして住まいを奪っています。多くの女性が夫を亡くし、経済的自立が深刻な課題となっています。

 彼女たちはお金がなく何も買えません。イスラエル軍の攻撃でそもそもガザでは市場さえなくなりました。まともな暮らしはありません。空爆下、女性は死を待つしかない状況です。

 私は女性の権利を守る活動家として女性に対するあらゆる暴力に反対して活動を続けてきました。ガザではイスラエルによる占領と封鎖下で経済状況が悪く、人口が密集する状況が、女性に対するドメスティックバイオレンス(DV)を引き起こす問題がありました。

 しかし、いまはこの戦争下、イスラエル軍がガザの女性に振るう暴力のほかに話すことができません。女性たちは極度の恐怖にさらされています。私たちは一瞬先にはもう生きていないかもしれないのです。イスラエル軍は最大の脅威です。

大勢のなか授乳 シャワーなく皮膚病

「人間の尊厳ない」

 私も北部ガザ市の自宅を追われ、今は南部ラファにあるNGOの建物の一室で妹家族とほかの住民と避難生活を送っています。親族とは連絡が取れず安否を確認できません。

 女性は食料も水も確保できず、プライバシーがない状況で暮らしています。住民が避難する学校では一つの教室に50人、60人、なかには70人が身を寄せています。

 女性は大勢がいる教室で着替え、食べ、寝ています。出産直後の女性は非常に不衛生な学校で赤ちゃんの世話をし、大勢が避難する教室で授乳しなければなりません。

 生理用ナプキンがほしいという要望を多く受けていますが、かなえられずにいます。何十日もシャワーを使えずにいます。皮膚病や婦人科の受診が必要な病気が広がっています。教室の一つをトイレに使っている学校もあります。人間の尊厳はありません。

 屋外のテントに避難している女性もいます。冬になり、雨が降ると寒さで眠りにすらつけません。調理用ガスがなくまきで火をたいています。この煙が呼吸器の病気をまねいています。

 イスラエルの行いは、ジェノサイド(集団殺害)であり、民族浄化です。その戦争犯罪はあまりに大きい。

 今すぐ停戦が必要です。国際社会がイスラエルとそれを支持する米国に圧力をかけ、停戦が実現しても、女性たちの困難は続きます。ガザは完全に破壊されて戻る家もありません。

 私たちは激しい攻撃のなかで、女性への心理カウンセリングもできなくなりました。無力さを覚えます。

 それでもどんなに極限の状況下でも、女性に寄り添い、暴力から守り、権利を擁護したい。状況の把握を続け、女性が何を必要としているか考え続けています。


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