2023年12月21日(木)
特許切れ薬など負担増
来年度の予算編成 医療・介護改悪固める
岸田自公政権は20日、来年度の予算編成に向けた閣僚折衝で今後の医療・介護制度の改悪を固めました。鈴木俊一財務相と武見敬三厚生労働相が合意しました。
医療では、2024年10月から、特許が切れるなどした先発医薬品の窓口負担について、より安価な後発医薬品との差額の25%を保険適用外とし、患者負担に上乗せします。厚労省は先発医薬品を使う患者の負担が2・76倍になる試算も例示しています。後発薬では作用に違いが出る場合があり、負担増による受診控えや後発薬の供給不足が悪化する恐れもあります。
介護老人保健施設と介護医療院の多床室(相部屋)の部屋代については、一部の施設で新たに月8千円を徴収するとしました。さらに社会保障削減の「改革工程」に基づき、26年度予算編成過程などでケアプラン有料化や要介護1・2の生活援助などを保険給付から外す検討を行い、結論を得るとしています。
一方、現在原則1割負担の介護保険のサービス利用料を2割負担とする人の対象範囲の拡大については、24年度は見送り、27年度の前までに結論を出すことで合意しました。
物価高騰のなかでの相次ぐ負担増に懸念と批判の声が広がるなか、昨年末と今夏に続き今回も実施の決定は見送りとなった形です。
日本共産党は、宮本徹議員が10月の衆院予算委員会で2割負担拡大では高齢者が「必要なサービスを我慢せざるを得ない、尊厳が守れない事態になる」と岸田文雄首相に改悪断念を要求。党として社会保障充実へ大企業・富裕層に応分の負担を求める税制改革を示すなど奮闘しています。