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2023年12月18日(月)

きょうの潮流

 150年前、明治初期の「徴兵令」で始まった徴兵制度は、敗戦後の1945年11月に廃止されました。公募となった自衛隊はいま、応募者減で慢性的な定員不足に直面しています▼少子化やハラスメントが背景にあるとあって、防衛省は人員確保へあの手この手で。一定期間入隊すれば返済を免除する奨学金貸費学生制度や退職時の大学進学支援制度の勧誘策も▼隊員募集のため自治体に若者の個人情報の提供を迫ることまで各地で。人権無視、学校や自治体を「戦場の窓口」とするなと抗議や批判が広がっています▼いかに自衛隊の好感度をあげるか―テレビへの露出も重要な広報作戦です。“制作過程は話せない”と密接ぶりは口を閉ざすものの、例えば、ドラマ「テッパチ!(鉄の帽子)」(22年フジ系)ではエキストラは自衛官、戦車は本物。防衛省は全面協力しました。最近のドラマ「VIVANT」(TBS系)では自衛隊の諜報(ちょうほう)組織「別班」の一員を人気俳優が演じて話題に▼先月放送の日本テレビ系の番組は、「メディア初解禁」と称し静岡の陸自駐屯地で74式戦車の内部にカメラを持ち込みました。ドラマやバラエティーだけでなく、ニュース枠でも“テレビ初”“密着取材”の触れ込みで「日本の安全保障を支える精鋭部隊」と無批判に報じる番組も▼岸田政権の大軍拡計画のもとで拡大する日米一体化の危険な実態に目をつむったままでは、自衛隊広報の片棒を担ぐようなもの。テレビが「戦場への窓口」になるのもごめんです。


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