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2023年12月14日(木)

「殺傷兵器」輸出へ着手

与党1次提言 弾薬の第三国移転可能に

 自民、公明両党は13日夜、武器輸出のルールを定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針見直しを図る実務者協議(WT)を開き、政府への提言の第一弾をまとめました。他国企業から技術を取得し国内で生産する「ライセンス生産品」の輸出対象拡大や、戦闘機のエンジンなど武器部品の輸出解禁などを盛り込みました。政府はこれを受け、22日にも運用指針を改定し、「殺傷兵器」輸出に本格的に着手します。

 現行指針は、米国のライセンス品の「部品」に限って輸出を容認してきましたが、提言は米国以外のライセンス元国や「完成品」の輸出解禁を要請。元国から第三国への輸出も可能としました。

 日本の「ライセンス生産品」は8カ国79品目ありますが、英国の155ミリりゅう弾砲、フランスの120ミリ迫撃砲など、弾薬が多くを占めています。提言は第三国移転について「現に戦闘が行われている国」を除外するとしますが、日本が生産した弾薬で備蓄不足が補てんされれば、欧米はウクライナやイスラエルなど紛争当事国にさらなる弾薬供与が可能となり、紛争助長につながります。

 武器の部品についても輸出可能と明記。退役する航空自衛隊F15戦闘機のエンジンのインドネシアへの輸出が念頭にあります。現在ウクライナに限定している「被侵略国」への「非殺傷」兵器の輸出も、「被侵略国」全般に拡大します。米軍に限定されている、民間企業による他国軍に対する修理役務も対象国を拡大します。

 日英伊で共同開発する次期戦闘機の第三国輸出では、完成品について持ち越し、「部品・技術」のみ解禁。救難などに輸出を限定する「5類型」緩和も継続議論となりました。

 WTは、安保3文書で三原則と運用指針の見直しを明記したことを受け、4月に開始されました。

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