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2023年12月12日(火)

きょうの潮流

 麻雀と焼きそば屋での「哲学」論議にあけくれた学生時代。やがて青年の関心は正義論や法哲学へ。そして進んだ先は、憲法研究者の道でした▼これまでの人生をふり返りつつ、執念をもってとりくんできた理由とは。神戸学院大法学部の上脇博之教授が『なぜ「政治とカネ」を告発し続けるのか』(日本機関紙出版センター)に記しています▼いまの日本は議会制民主主義であるための要件を満たしていない。上脇さんはそう指摘します。投票価値の平等や自由な選挙活動、国民の知る権利が保障されていない。政治や選挙を不公正に左右し民意をゆがめる政治資金制度をとっていると▼本紙報道に端を発した自民党の裏金問題が底なしの様相をみせています。安倍派幹部らの疑惑が次つぎと表面化。政権の中枢を直撃しています。岸田首相はひとごとのようにコメントしていますが、自身や他の派閥も疑惑の渦中にあり、党丸ごとの体質が問われています。不正なカネにまみれた▼こっそりとカネをつくり使い道も明らかにしない政党が国民のための政治をするだろうか。上脇さんは企業や団体からの献金など政治を利用する可能性があるカネの入りも絞るべきだといいます▼組織的な裏金づくりを告発するまでの作業は大変です。しかし多くの仲間や協力者が闇を暴くため立ち上がっています。市民の告発は主権者である国民全体のための運動だと上脇さん。その一つ一つが、権力の暴走をくいとめ、議会制民主主義の確立につながると信じて。


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