2023年12月12日(火)
COP28inドバイ
化石燃料「段階廃止」激論
途上国、先進国の責任問う
![]() (写真)開催中のCOP28で、「即時停戦」「今こそ気候正義を」などと書かれた横断幕を掲げて会場内をパレードする市民=9日、ドバイ(小梶花恵撮影) |
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は会期末の12日を前に、石炭、石油、ガスなど「化石燃料の段階的廃止」をめぐって対立が続き、交渉が難航しています。(関連記事)
国連のグテレス事務総長は11日、記者会見で「化石燃料の段階的廃止の必要性で合意に達するかどうかが、COP成功の中心点だ」と訴えました。また「すべての国が同時に廃止することを意味しない」と述べ、対立する諸国の間の「妥協」を求めました。
8日に提示された文書案は、「最善の科学に基づいた化石燃料の段階的廃止」といった大幅削減をめざす案や「排出削減措置をおこなっていない化石燃料の段階的廃止」として化石燃料温存を狙う案、そして言及しないという案の全部で5案を列挙しています。
石油・ガスの大産出国、サウジアラビアやロシアは化石燃料段階的廃止に強く反対。ロイター通信は、石油輸出国機構(OPEC)事務局長が、加盟国などに段階的廃止への言及に反対するよう求める書簡を送っていたと報じていました。
太平洋の島国マーシャル諸島は「OPEC諸国の国民を含め地球上の人々の繁栄と将来を、化石燃料ほど脅かすものはない」とこれに反論。他方で、後発開発途上国のバングラデシュは会見で「私たちも化石燃料の段階的廃止を望んでいるが先進国と途上国の間の差別化が必要だ」として、パリ協定にも含まれている「共通だが差異ある責任/各国の能力に応じて」の原則の重要性を力説しました。
発展途上国は、歴史的に大量の二酸化炭素(CO2)を排出してきた先進国の責任を明確にし、資金や技術移転でより大きな支援が盛り込まれるよう求めています。先進国は「パリ協定の履行は未来志向で」などの主張で抵抗しています。









