2023年12月10日(日)
酪農危機に支援要求
紙氏 補給金単価見直しを
参院農水委
![]() (写真)質問する紙智子議員=5日、参院農水委 |
日本共産党の紙智子議員は5日の参院農林水産委員会で危機的な酪農への緊急支援を求めました。
農水省は3月の「畜産・酪農緊急対策パッケージ」で乳牛1頭当たり北海道で7200円、都府県で1万円を支援しました。乳価も上がりましたがエサ代等の高騰に追いつかず経営難で離農に歯止めがかかりません。
紙氏は「酪農の危機から脱したのか」と質問。宮下一郎農水相は「危機を脱したということではない」と答弁しました。
紙氏は「酪農家や団体が1頭10万円の支援を求めている。農水省は、生乳の生産を抑制するために牛を淘汰(とうた)する予算をつけたが約40億円も余っている」と指摘し、予算は牛を殺すためでなく、生かすために使うべきだとし、緊急支援を要求。宮下農水相は「所得補助的な支援は過剰生産の可能性がある」と拒否しました。
飲用乳(牛乳)より加工向け乳価が低いことから、酪農の再生産を確保するために加工原料乳生産者補給金制度があります。酪農生産者の補給金単価の引き上げ額は毎年1円にも届かず銭単位にとどまっています。
紙氏は、補給金制度について「経済状況が著しく変化した際に見直す」との規定に沿って見直しを要求。農水省の渡邉洋一畜産局長は「安定的な経営が困難となる。(低い単価の)見直しは考えていない」などと答弁。紙氏は生産者の下支えをおこなうとともに、生乳の需給調整に国が責任を持つべきだと主張しました。









