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2023年12月5日(火)

ガザ南部

右足なくした空手少年

お母さん 泣かないで

 【カイロ=秋山豊】イスラエルがパレスチナのガザ地区で続ける爆撃。死をかろうじて免れても大けがを負った子どもたちは、激痛に苦しみ、家族も将来の夢も奪われています。

 南部ハンユニスのナセル病院のベッドに横たわるアハマドさん(14)。彼は空手を習っていて、いつかチャンピオンになることが夢でした。

 2週間前、ガザ北部から逃れ身を寄せていた親せきの家が爆撃され、がれきの下敷きになりました。意識がなくなり、目が覚めたときには右足がありませんでした。

 アハマドさんが3日、本紙の電話取材に語りました。「足をなくしただけでなく、お父さんと弟が爆撃で殺されたことがすごく悲しい。もう空手のチャンピオンにはなれないけど、お母さんには泣かないで笑顔でいてほしい」

 現地ジャーナリストのアンヌワ・アルアモウディさんによると、同病院では3日、子どもたちが頭や顔から血を流して泣いています。子どもの遺体もあります。手を切断する緊急手術が必要な8歳の子がいて、母親が「私の愛しい息子よ」と叫んでいます。

 同病院の外科医アハマド・アルハラークさんは本紙の取材に、頭部を負傷し、まひや視覚障害に苦しむ子もいると話します。

 患者のシェリハンさん(16)も頭部を負傷し、話すことはできますが、全身まひを患っています。南部ラファの自宅が爆撃されて両親と兄弟たちが殺されました。

 「お母さんの手伝いもできたし、友達と学校にも行っていた。医者になるのが夢だったが、今は足で立つことが夢になってしまった。なぜこんな痛みを受けないといけないの」と話したといいます。

 ガザ当局によると戦闘が始まった10月7日以降、子どもたち約6200人が殺され、多数が負傷しています。


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